書籍

アレな表紙だが―コミック版『新世界より(1)』

アニメでは2話まで放送された貴志祐介原作の『新世界より』。「別冊少年マガジン」で連載されているコミカライズ版の単行本が出たので読んだ。およそSF伝奇というジャンルとは思えないようなアレな表紙だが、中身はもっとアレだった。いいぞもっとやれ。漫…

平野啓一郎『ドーン』

2009年のBunkamuraドゥマゴ文学賞という触れ込みに惹かれて、平野啓一郎の書下ろし長編『ドーン』を読んだ。時代は2036年。近未来。舞台は火星探査船・ドーン。主人公はその乗組員の一人である日本人。彼の周辺の個人的な問題のように見えたものは、アメリカ…

『月の影 影の海』小野不由美

小野不由美の「十二国記」シリーズの『月の影 影の海』を読んだ。月の影 影の海(上) 十二国記 (新潮文庫)作者: 小野不由美,山田章博出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/06/27メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 67回この商品を含むブログ (41件) を見る …

Leslie Keeが撮る成海璃子

装苑10月号に「AIR OF LOVE」特集。 Zucca × Leslie Kee × 装苑「AIR OF LOVE」展開催の告知を兼ねた特集。モデルは以下の通り。 桐谷美玲/忽那汐里/YiRan/金子ノブアキ/私立恵比寿中学/本郷奏多 成海璃子/秋元 優/秋元 梢/福田彩乃/橋本 愛/二階…

さよなら『さよなら絶望先生』―『さよなら絶望先生』第30集

『さよなら絶望先生』の最終巻となる第30集を読んだ。社会の胡散臭いあれこれをブラックな「毒」で風刺するのがこの作品の魅力であった。だが、近年は、どうも現実の社会の胡散臭さの方が、コミックの「毒」で批判できる射程距離のはるか先に行ってしまった…

成海璃子×川島小鳥『RICO DAYS』

成海璃子の『RICO DAYS』発売イベントで新宿紀伊國屋書店へ。20歳の誕生日ということでプレゼントを渡す。KORG的なもの。そして、ちょっとした会話の後、握手。20歳の女の子の誕生日を祝福するなんていうことは、いままでなかったことだし、これから先にはも…

「RICO DAYS」イベントを予約

仕事を片付けてから紀伊國屋書店新宿本店に向かい、8月18日の「握手会&サイン本お渡し」イベントの整理券をゲット。3,150円也。整理券1枚=握手+オリジナルポケットティッシュ、整理券2枚=握手+ポストカード2枚セット、先着50名様には「3冊券」(2ショット…

国書刊行会40周年記念フェア

今年は国書刊行会40周年ということで、記念サイトもできて、主要書店での「記念フェア」も企画されている。 『今日の早川さん』のCOCOさんによる記念コミックのサイトもOPEN。記念コミックサイト:国書刊行会40周年サイト - 40th Anniversary - COCO氏コミッ…

戻れないことを知る―『青い花(7)』

ようやく『青い花』の第7巻が出た。 一年間というのは結構長いものだ。 最近は単行本を待ち切れずに「マンガ・エロティクス・F」をチェックしてしまうことも増えたのだけれど。 それでも、こうして志村貴子の淡い色遣いの表紙が見たくて、単行本の発売日を…

『RICO DAYS』告知キタ━(゚∀゚)━!

川島小鳥が成海璃子を撮った写真集『RICO DAYS』の告知がついに来た。研音公式:成海璃子 写真集「RICO DAYS」 K-SHOPからご購入の全ての方に、宛名&サイン入りでお届け!! 成海璃子の5年ぶりとなる写真集は、20歳の誕生日を祝福する記念作となりました。 …

アートコレクターNo.40

「アートコレクター」No.40―The Nude ─Sカーブの神秘─を購入。紀信とアラーキーという写真界の巨匠のインタビュー記事をはじめ、石黒賢一郎、三嶋哲也等の同世代の画家の作品紹介もあり。特に石黒賢一郎はホキ美術館で「真○○・マ○・イ○○○○○○」を観て衝撃を受…

『ビブリア古書堂の事件手帖3―栞子さんと消えない絆』

栞子さんは俺の嫁。それはそれとして―前巻で仄めかされていた栞子の母親の影が、本巻ではより色濃く現れてくる。「古書を巡る謎解き連作」というのは本シリーズのオモテのモチーフに過ぎず、主題はむしろウラの「栞子と母親の関係」の方に徐々に移ってきてい…

選択する自由と選択しない自由―『にこたま(4)』

『にこたま』の4巻を読んだ。あっちゃんには選択の自由がある。コーヘーと別れるか、別れずに付き合い続けるか。もちろん選択しない自由もある。そのはずだ。コーヘーにも選択の自由がある。あっちゃんに寄り添うか。たかのさんのそばにいるか。もちろん選…

夢の中で会った、ような―萩尾望都『バルバラ異界』

現し世は夢、夜の夢こそまこと (江戸川乱歩) 萩尾望都『バルバラ異界』を一気に読んだ。両親が殺された少女・青羽は眠りから覚めることがない。彼女の夢の中に入り込む主人公・渡会時夫。そこで見たものは―他人の夢の中に潜入するという設定は、映像作品と…

決して分かり合えない―川上未映子『ヘヴン』(2回目)

川上未映子の『ヘヴン』が文庫版になったので購入し、再読した。初読のときの感想は、ここは天国ではない〜川上未映子『ヘヴン』 - Sharpのアンシャープ日記に。以下ネタバレ。ヘヴン (講談社文庫)作者: 川上未映子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/05/1…

姉のモテキ―『姉の結婚(3)』

登場人物の結婚観が錯綜する第3巻。 1巻ではそれなりに枯れていたように見えたヨリだが、真木と過ごす時間のせいなのか、妹ルイのアドバイスのせいなのか、どこからどう見ても魅力的な女性になっている。爽やかな独身男性・川原との距離も縮まり、仕事も充…

主体的真理と絶対的真理―萩尾望都『なのはな』

私にとって真理であるような真理を発見し、私がそのために生き、そして死にたいと思うような理念を発見することが大事なのだ。 (キルケゴール『日記』) 先日、紫綬褒章を叙勲された萩尾望都の最新作『なのはな』を読んだ。読了して、キルケゴールとヘーゲ…

真っ当な本だが宣伝方法は疑問―『世界史』(W.H.マクニール)

巷で話題のマクニールによる『世界史』を読んだ。オビには「東大・早大・慶應で文庫ランキング1位!」、書店パネルには「たった2冊で大丈夫」「世界史を理解する最後のチャンスです」と。結論から言えば、世界史の大まかな流れを掴む視座を与えてくれる有益…

成海璃子が「美術手帖」最新号に登場

「美術手帖―総力特集・東京アートガイド2012」(2012年5月号)に成海璃子登場。表紙・巻頭カラー合わせて10ページ。写真・映画・アート好きなら、成海璃子好きだよな。ということで、これは的を射たマーケティングだと認めざるを得ない。まず何よりも表紙の…

誰かを守るということ―『3月のライオン(7)』

ひなちゃん…(´;ω;`)ブワッ ―そうだ 僕は あのとき ここで 君を守ると 約束したのに いじめの問題にも一つの区切りが付いた。 誰かを守るということは、自分を守るということ。自分の存在意義を守るということ。 そして、零は新しいステージへ…それにしても…

成海璃子×平間至「ナルミカメラ」発売記念イベント

天使にふれたよ。渋谷で開かれた「ナルミカメラ」発売イベントに足を運ぶ。成海璃子も平間至も大好きなので。成海璃子は、ロングヘアーを片側に編んだ髪型、そして赤系のワンピース。平間至はホワイトのジャケットに同じく白い中折ハットと南国風のファッシ…

もはや古典的良書―『メディア・コントロール』

ノーム・チョムスキーがこれを書いたのは1991年。すなわち、湾岸戦争の年。だが、本書はあまりにも正確に、その後のアメリカのイラクの未来を予想している。言葉の本来の意味で「知識人」とはこういう人のことを指すのだろう。副題は「正義なき民主主義と国…

ナルミカメラ

あの『ナルミカメラ』が書籍になる。3月24日の発売日が待ち遠しい。ナルミカメラ (角川メディアハウス)作者: 成海璃子,平間至出版社/メーカー: 角川メディアハウス(角川グループパブリッシング)発売日: 2012/03/24メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を…

レイさんマジ天使!…『南極点のピアピア動画』

動画サイトとボーカロイドの登場する近未来ハードSF― とか畏まった言い方よりも「ニコ動+ミク」で描くSF、というべきかもしれない。作中では、ピアピア動画であり、小隅レイなんだけど。小隅は「Cosmic」から、レイは「綾波」から、それぞれ取っているのか…

ピアピア動画への道

書店で「ミステリマガジン2012年4月号」を見つける ↓ 表紙が「ミルキィホームズ」((((;゚Д゚)))) ↓ 「SFマガジン」はもうちょっと硬派だろう ↓ 「SFマガジン2012年4月号」を探す ↓ 表紙が前田浩孝の眼鏡巨乳女子 ↓ け し か ら ん(#゚Д゚) ↓ 購入し部屋に帰って…

シカゴ学派は完全市場の夢を見る―『ショック・ドクトリン』

「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」 (村上春樹『風の歌を聴け』) そう。完全な人間など存在しないし、完全な社会など存在しないし、完全な政府など存在しない。だが、シカゴ学派は、完全な市場の夢を見ている…

こじらせかわいい―『二階堂ふみフォトブック 進級できるかな。』

「ブスかわいい」ではない。「うざかわいい」とも違う。彼女のかわいさを的確に表現する形容詞がなかなか見つからない。だが、二階堂ふみは間違いなくかわいい。フォトブックまで買ってしまったわけだが、内容的には「表紙写真がジャージ」とか「高円寺ロケ…

冬目景的幻想ワールド―『マホロミ(1)』

線の細い男子に、活発な幼馴染女子、そして謎めいた美少女― そう。ここにあるのはいつもの冬目景。そして、何気ない日常の中に、突然ぽっかりと異世界への入口が開くあたりも、どこかで見たような冬目景ワールド。現実なのか、幻想なのか、その境が極めて曖…

その瞬間、僕は世界を愛するだろう―『地上はポケットの中の庭』

一粒の砂に世界を見、 一輪の野の花に天国を見る 手のひらに無限をつかみ、 一瞬のうちに永遠をとらえる (ウィリアム・ブレイク「無知の告知」) ブレイクが夢想したように、世界を見たり永遠をとらえたりしたいというのは、人の本能かもしれない。だが、限…

フェティッシュな、あまりにフェティッシュな…『森薫拾遺集』

『森薫拾遺集』を読んだ。実は、ninetailsfox63さんち(みみずくのとまりぎ)で 収録作『昔買った水着』は、人妻+水着+畳+着替えという超フェチな短編で、とてもムラムラします。 作者の好みが大爆発しているのでファンはすぐに書店で買うように。 読了め…