線の細い男子に、活発な幼馴染女子、そして謎めいた美少女―
そう。ここにあるのはいつもの冬目景。そして、何気ない日常の中に、突然ぽっかりと異世界への入口が開くあたりも、どこかで見たような冬目景ワールド。現実なのか、幻想なのか、その境が極めて曖昧模糊としている。
具体的な内容は、だいたい以下の公式紹介文の通り。
冬目景、最新連載!待望の第1集!!
土神(にわ)は建築科の大学生1年生。ある日同級生の卯(あきら)と共に解体中の洋館に出かける。そこで見つけたドアノブに触れた途端、目の前に幻の扉が現れる。その夜、再び洋館を訪ねた土神は謎の少女から、それが建物の持つ「記憶」であると告げられる―――廃屋の中に佇み、同じ幻を見た彼女と出会い、土神の日常がざわめき始める…!!
煽り文には「!!」が連発されているが、まどろみの中のとりとめのない夢のように、物語はゆったりと、だが確実に、読むものを先へ先へと誘う。だが、この物語がどこに読者を連れていってくれるのか、それはまだまだ見えてこない。
冬目景の作品なので、今回もスローなペースになるだろう。場合によっては、途中で止まってしまうかもしれない。だが、それでもいい、この不思議な幻視ワールドがどこかに存在していてくれるだけでいい―なんて、そんな風に思えてしまうのはきっとファンの贔屓目ゆえだろう。
- 作者: 冬目景
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/01/30
- メディア: コミック
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