映画

忘却は優しい―『劇場版 魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語』

消える世界にも わたしの場所がある それを知らない 自分でさえも 思い出すまでは… (「優しい忘却」茅原実里―映画『涼宮ハルヒの消失』ED ・・・・・・バゼット、世界は続いている。 瀕死寸前であろうが断末魔にのたうちまわろうが、 今もこうして生きてい…

橋本愛のウィンクがかわいすぎる件―「ハードナッツ」

橋本愛主演の「ハードナッツ!~数学girlの恋する事件簿~」。数学課の大学生という役に入り込んだ演技もいいけど、次回予告の後のウィンクがかわいすぎる。(1話) (2話) 第二話は、いわゆる解決編だったが、事件の真相は全く予想できず。極上のミステ…

コメディエンヌ橋本愛―『ハードナッツ!~数学girlの恋する事件簿~』

蒔田光治のNHKでの初仕事となるBSプレミアムドラマ『ハードナッツ!~数学girlの恋する事件簿~』が始まった。主人公である東都大学数学科の女子大生・難波くるみを演じるのは、連ドラ初主演の橋本愛。そして、相方となる若手刑事・伴田竜彦に高良健吾。公式…

このエンディングは納得できない―映画『モテキ』

どうも、サブカル糞野郎です。ということで、いままでずっと避けてきた映画『モテキ』を覚悟を決めて観た。公開前のキャンペーンでは、長澤まさみの大胆演技がどうのと言われていたが、実際に視聴すると見せ場はそこにはなかった。では、この映画で僕は何を…

『マン・オブ・スティール』―アメリカの国威発揚映画

『マン・オブ・スティール』はクリストファー・ノーランやザック・スナイダーらしいダークで重厚な映画である。ヒーローは苦悩するし、バトルの運動エネルギーは目に留まらぬ迫力であるし、音響は重低音が凄まじい。ヘンリー・カヴィルの扮するカル・エル(…

JJ監督の手腕が炸裂―『スター・トレック イントゥ・ダークネス』

3カ月前、旧作の『スター・トレック』の劇場版シリーズを一気視聴したとき、僕はこう書いた。 そんな「クールな敵役」を、現在の基準で選ぶとなれば、これはもう『シャーロック』のベネディクト・カンバーバッチ以外には考えられないということになるのだろ…

『ALL you need is kill』がトム・クルーズ主演で来年公開予定

元祖ループ系の『ALL you need is kill』がトム・クルーズ主演で来年公開予定。 タイトルは『Edge of Tomorrow』に変更になったみたいだけど。 ニュアンスとしては、「最後に残った道しるべ」とか「境界面上のシュタインズゲート」的な感じだろうか。しかし…

なぜこれが日本で作れないのか―『終戦のエンペラー』

フェラーズは、昭和天皇に君主としての責任があることは明らかだが、開戦の主導者ではなく、また昭和天皇は国民の信望を得ており、昭和天皇の「聖断」によって米国の被害を減らすことができたのに、戦犯として裁判にかけるならば日本国民が占領軍に反抗し、…

『風立ちぬ』―持てる男の自己正当化の物語

才能に恵まれ、食べるに困らず、人に愛される―宮崎駿の『風立ちぬ』は、そんな男の物語だった。そして、この「持てる」男・二郎が追い求めるのは、「絶対」だ。神の領域というべきか、天才のみがたどり着ける境地というべきか。上司も同僚も二郎の才能を理解…

オタクにはこの夏の最高傑作―『パシフィック・リム』

庵野秀明は『ウルトラマン』を観て、『エヴァンゲリオン』を作った。ギレルモ・デル・トロは、『エヴァンゲリオン』を観て、『パシフィック・リム』を作った、と言ってもあながち外れではないだろう。ということで、ギレルモ・デル・トロ監督の新作『パシフ…

ゼロの物語ー『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』

『猿の惑星 創世記(ジェネシス)』を観た。2011年公開作品だが、ゼロ年代に大流行した「ゼロ」もの。つまり、シリーズの最初の物語の前日譚。『猿の惑星』の場合には、この惑星がどうして猿に支配されるようになったのかを描くことになる。この点において、「…

盛者必衰―『華麗なるギャツビー』

盛者必衰の理。それは何も日本文学の専売特許ではない。アメリカには『華麗なるギャツビー』がある。F・スコット・フィッツジェラルドがそこで描いたのは滅びの美学だ。そう思う。ということで、バズ・ラーマン版の『華麗なるギャツビー』を観た。『ロミオ+…

人気俳優も有名原作もいらない―『お父さんは二度死ぬ』最終回

秦建日子脚本の家族ミステリ『お父さんは二度死ぬ』が最終回を迎えた。公式サイト:お父さんは二度死ぬ | NHKプレミアムよるドラマ各話30分・4話完結だが、最後の最後まで真相が読めず。NHKとは思えないスリリングな展開。で、蓋を開けてみれば、ある種の叙…

『あまちゃん』北三陸編終了

『あまちゃん』の北三陸編が終了した。東京から来て海女になることを目指していたアキが、今度はアイドルになることを目指して東京へ行く。この反転をどう納得感をもって描くかがポイントであった。周囲の無理解に苦しみ、孤独に地元を去った母の轍を踏めば…

良作ではあるが―『スター・トレック  ネメシス/S.T.X』

劇場版『スター・トレック』マラソンも10作目。エイブラムスのリメイク前としてはこれで最終。 惑星ロミュラスのロミュラン帝国でシンゾンによるクーデターが発生したころ、地球では惑星連邦宇宙艦エンタープライズの副長だったライカーと、カウンセラーのト…

これはひどい―『スター・トレック IX 叛乱』

新スター・トレックシリーズ3作目の映画。我慢強く観ていたが、どうにも盛り上がらない。劇場に足を運んでいたら「金返せ」というヤジが聞こえてきてもおかしくない、そんなレベルの作品。 エンタープライズEの艦長ピカードは、クルーのアンドロイドのデー…

映画『桐島、部活やめるってよ』

『ゴドーを待ちながら』のような作品だった。映画の『桐島、部活やめるってよ』では、皆が桐島のことを口にして、彼の姿を求めるが、結局のところ、最後まで姿を見せることはない。一瞬「あれ?」と思わせる場面はあるが、それも確信が得られるものではない…

傑作ではあるが―『スター・トレックVIII ファーストコンタクト』

『スター・トレックVIII ファーストコンタクト』を観た。1996年公開作品ということで、SFX/CGのレベルはぐっと上がっている。また、「最強の敵」とされるボーグの強さが前面に出ていて、最後まで手に汗握る展開が続く。船長のピカードも、終始毅然としたリー…

無用な新旧交代劇―『スター・トレック ジェネレーションズ』

『スター・トレック ジェネレーションズ』は、7作目の劇場版『スター・トレック』作品。ただし、カーク船長のスタートレック(TOS)は、前作『スター・トレックVI 未知の世界』(感想は有終の美―『スタートレックVI 未知の世界』 - SHARPのアンシャープ日記…

南沢奈央が『お父さんは二度死ぬ』に出演

南沢奈央がBSプレミアムの『お父さんは二度死ぬ』に出演している。 公式サイト:お父さんは二度死ぬ | NHKプレミアムよるドラマ相変わらずショートカットが似合う。そして、喪服姿が清楚だ。 一見、どこにでもいそうな感じもありながら、純粋で清潔な雰囲気…

打ちのめされる喪失感―新海誠『ほしのこえ』

クラクラきた。新海誠のショートフィルム『ほしのこえ』を観た。僕と彼女の距離はどんどん離れていく。メールが届くのに8年もかかるほどに。もうこの事実だけでクラクラする。名状しがたい恐怖に襲われる。彼女は15歳。巨大ロボットに乗って、太陽系の外に…

潮騒のメモリーズ@『あまちゃん』

4月初にエントリーした通り(『あまちゃん』始まった - SHARPのアンシャープ日記)、『あまちゃん』を欠かさず見ている。今週は、種市先輩(福士蒼汰)をめぐってギクシャクしていたアキ(能年玲奈)とユイ(橋本愛)の二人。ここまでアキをリードしてきたユ…

有終の美―『スタートレックVI 未知の世界』

1986年 ソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリ原発4号機が試験中に爆発 1987年 ソ連のゴルバチョフ書記長がアメリカのレーガン大統領とレイキャビークで直接会談 1989年 ベルリンの壁が崩壊 1990年 東西ドイツ統一 1991年 ワルシャワ条約機構廃止、ソ連崩壊…

玉石混交の「石」―『スター・トレックV 新たなる未知へ』

映画『スター・トレック』III,IVは、スポックを演じるレナード・ニモイが監督を務めた。それをカークが見過ごせないのがスタートレックらしいところ。ということで、カークを演じるウィリアム・シャトナーがメガフォンを取ったのがこの『スター・トレックV …

20世紀のアメリカへ―『スター・トレックIV 故郷への長い道』

スポックを演じたレナード・ニモイの監督作品。前作『スター・トレックIII ミスター・スポックを探せ!』に続いての監督作品だが、語り口はぐっと軽妙になり、それどころか、だいぶユーモラスな雰囲気を獲得している。それが「スター・トレック」という作品…

スポックのスポックによる―『スター・トレックIII ミスター・スポックを探せ!』

スポックのスポックによるスポックファンのための映画。それが『スター・トレックIII ミスター・スポックを探せ!』である。前作『スター・トレックII カーンの逆襲』の最後でスポックがあんなことになってしまった。それを受けて、スポックを演じているレナ…

敵役登場―『スター・トレックII カーンの逆襲』

Iで世界観と主要人物を紹介し、IIで悪役を登場させて戦わせる―J・J・エイブラムスは『スター・トレック』シリーズの熱心なファンではなかったそうだが、劇場版第1作を映画館で鑑賞していた。であれば、二作目の『スタートレックII カーンの逆襲』でクールな…

映画版第1作―『スター・トレック』(1979年)

J・J・エイブラムス版スタートレックの続編『スター・トレック イントゥ・ダークネス』が8月に公開予定。ということで、ここは温故知新。『スター・トレック』旧作マラソンを開始。公開までに完走できるかどうかは分からないけれど。 巨大な雲状の「何か」が…

娯楽路線の呪縛の始まり―『007ダイヤモンドは永遠に』

007シリーズ映画第6作『女王陛下の007』シリーズは興行的には失敗に終わった。これは、新ボンド役としてデビューを飾ったジョージ・レーゼンビーに冷水をかける出来事となった。また、別の観点から見れば、共同プロデューサーであったハリー・サルツマンとア…

興行的には失敗作だが―『女王陛下の007』

007映画の6作目では、ボンド役がショーン・コネリーからジョージ・レーゼンビーに交代。さて、その成果はいかに。 007/ドクター・ノオ 全世界興行収入5960万ドル(うち全米1606万ドル) 007/ロシアより愛をこめて 7890万ドル(2479万ドル) 007/ゴールド…