無用な新旧交代劇―『スター・トレック ジェネレーションズ』

スター・トレック ジェネレーションズ』は、7作目の劇場版『スター・トレック』作品。

ただし、カーク船長のスタートレックTOS)は、前作『スター・トレックVI 未知の世界』(感想は有終の美―『スタートレックVI 未知の世界』 - SHARPのアンシャープ日記)で終わっている。この作品は、いわゆる「新スター・トレック(ING)」の初の劇場版。パトリック・スチュワート演じるピカードが船長となっているシリーズ。

ピカード船長の品格のあるキャラは、カークの荒削りなキャラとはまた違っていて、これはこれで魅力的。スポック的なポジションを埋めるのは、アンドロイドのデータということになるのだろうか。人間ではなくが人間に憧れるというピノキオのような存在。

一行は、謎のエネルギーリボンに向かい、時間の止まったリボンの中で、ピカードはカークと出会う。時間が止まっているので死んだ人間と会うこともできるという、わかったようなわからないような話。まるで『インセプション』の夢の中のようなところ。

この二人が力を合わせて、敵役となる科学者と対決するのだが、80年近い時間を超えての死者と生者の共闘というのは、いくらSF作品でも無理があり過ぎる。見せ場もやや散漫としていて、誰に焦点を当てていいのかよく分からないままに話が終わっているような感じ。戦闘シーンもまるで燃えない。これは問題だ。

制作者の側は、顔ぶれの一新された新シリーズへの橋渡しをしたかったのだろうと想像するが、かえって新キャラが引き立つのを阻害しているように見える。新旧交代劇としては、決して上手く行ったとは言えないのではないか。残念な作品だ。

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