このエンディングは納得できない―映画『モテキ』

どうも、サブカル糞野郎です。

ということで、いままでずっと避けてきた映画『モテキ』を覚悟を決めて観た。公開前のキャンペーンでは、長澤まさみの大胆演技がどうのと言われていたが、実際に視聴すると見せ場はそこにはなかった。

では、この映画で僕は何をずっと観ていたかと聞かれれば、もちろん森山未來の独白、これに尽きる。たとえば、twitter上で知り合ったみゆきと初めて飲みに行ったときのシーン。

えっ!こんなものにもリアクションしてくれるの!? そんで音楽の趣味も合いそうって!!? それにさっきから俺のサブカルトーク全部打ち返してくれてんじゃん!! スペック高過ぎ!! 最終兵器彼女かお前は!!! ってちょっと待て脱ぐなよお!

この場面でジャケットを脱ぐ松尾みゆき(長澤まさみ)はあくまで触媒に過ぎない。作品の推進力は、主人公の藤本幸世(森山未來)の脳内で始まる化学反応なのだから。

「モテキ」ということで、本来は複数の女性にモテまくるという設定なのだが、枡元るみ子(麻生久美子)とは全く噛み合わないし、キャバクラで出会った愛(仲里依紗)との間にはビジネス以上の関係はない。唯一、真木よう子が演じる唐木素子に罵られるところに愛が芽生える可能性を感じたが、これは、『月刊真木よう子』を撮った大根仁監督の贔屓フィルターのせいかもしれない。

結局のところ、幸世にとって、唯一の本命であるみゆきとの恋の路は、決して平坦なものではない。というか、どう見てもこれは無理ゲーである。サブカル糞野郎の不器用な恋を描いた作品ということでは、この無理ゲーをいかにして脳内で「グッドエンド」として昇華するのかという話になると思っていた。だが、そうではなかった。大根仁監督はあくまで「トゥルーエンド」志向。これは、観客の期待とは違うんじゃないかと思う。いや、他の視聴者の意見はともかく、個人的にはこのエンディングに全く納得がいかなかった。

全体として、森山未來の演技力の無駄使い、岡村靖幸の音楽の無駄使い。これも個人的な趣味かもしれないが、長澤まさみというのも、サブカル糞野郎の求める「センスのよい小悪魔」というヒロイン像とはあまりマッチしていないのではないかと思う。じゃ誰かと言われれば、蒼井優、なんかどうかなと。え?リアル小悪魔?それが何か。

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