去年の夏公演を観て、ステージと世界観に魅了された少女歌劇団ミモザーヌ。
(2021年夏公演〜東京)
「どんなもんだろう?」と様子見のつもりで東京の1公演だけしかチケットを取っていなかったのだが、大阪はすでにソールドアウトしてしまっていた。
その時に心に決めた。
「次の冬公演は全部行こう」と。
(2021年・22年冬公演〜大阪)
(2021年・22年冬公演〜東京)
あまりに素晴らしい公演で、「その次」の一手を待っていたところ、無料のファンミーティング(抽選)が開催されるということで、当選を祈りつつ本拠地・大阪への遠征を決めた。
幸運にも当選し、某所で開催されたファンミーティングに行ってきた。
会場に行くと、公演でも会ったことのある熱心なファンを含めて総勢20名ほどの参加者。
内容は、盛りだくさんで備忘録的に書いておく。
プロのトレーナーによるレッスンの見学(30分)
「ステージパフォーマンスの基本は体幹にあり」ということで、アスリートのトレーニングにようにストイックな体幹レッスン。
メンバーみんな黒か白のガチなトレーニングウェア。
そしてすっぴん。
ごく一部を見学しているだけなのに、内容がハードなことが伝わってくる。
メンバーによって得意不得意なメニューがあるのも分かってくる。
一期生が涼しそうにこなしているメニューでも、入ったばかりの四期生は形さえできないものもある。
それをトレーナーをサポートするようにスタッフが補助していく。
地味といえば地味だが、大事といえば大事。
これはめちゃめちゃ貴重な経験。
プロによるフィジカルのレッスンは、体幹とストレッチとそれぞれあるらしい。
今回の見学では30分に短縮されていたが、毎週のレッスンでは半日のうちこれを45分・2セットやるそう。
いまダンスの先生は12人。
まずは身体作り。そこからダンスのレッスン。
これがあってこそ、あの華やかでキレのあるパフォーマンスができるのか。
合点が行った。
これから日舞とフラメンコのメニューに加わるそう。
そして、スポーツトレーナーと管理栄養士もつけていくとのこと。
壮大な育成計画だ。
メンバーとプロデューサー広井王子とファンの座談会(1時間30分)
そして、少しだけ会場セッティングを変えて、メンバーとプロデューサーとファンの座談会へ。
あのメンバーが、あの広井王子が、そして初めて見る四期生が目の前に!
これは感動しかない。
四期生は11歳、12歳メンバーが中心。
僕は四期生に一番近いところに座った(くじ引きで)。
間近で見る初々しさにくらくらしそうになった。
座談会は、広井王子が、ミモザーヌの育成方針を柔らかい語り口でファンに説明するところから始まる。
エンタメやる以上は体幹・ストレッチは必須。
地味だけれども、楽しめるようになってくる。というか、好きじゃないと続かない。
続かなければやめてもらって結構。無理強いするものじゃないというスタンス。
自分も今68歳だけれども、本業の方のゲーム作りは好きだから続いている。
これは広井イズム。
そして、フィジカルだけではなく、表現力につながるような感受性を磨くのも広井王子のお仕事だそう。
映画を見たり、演劇を見たり、本を読んだりなど。
「課題図書」もあって感想文も出させるとか。
いまの課題図書は、
一期生:「もの食う人々」
二期生:「動物農場」
三期生:「アルジャーノンに花束を」
四期生:「はてしない物語」
ということだった。
映画だと「ベルファスト」「コーダ あいのうた」、ミュージカルでは「メリーポピンズ」などの名前があがる。
「インプットなくしてアウトプットなし」というのは、どの表現・芸術にも通じると思う。
少女歌劇団ミモザーヌでは、まさにさまざまなジャンルの芸術作品を鑑賞することを通じて、感受性を豊かにし、自身の表現力を高めることにつなげようとしているのだと分かる。
それを各期のメンバーごとに提示し、時に相談にも乗っているプロデューサー。
理想的といえば理想的だが、なかなか実際にできることではないと思う。
だが、このような方法でないと体得できないものというのが確実にある。
すごい、と思う。
大勢のメンバーの中から今日は5名が「選抜メンバー」として前列に座っていて、それぞれが特技を披露してくれた。
すずき みあい ムェンドワ:英語のアカペラソング
いわむら ゆきね:即興劇(エチュード)
いまもり まなか:即興劇(エチュード)
ともだ りのあ:ミュージカル『コーラスライン』より『Nothing』フルコーラス
みやはら にこ:アクロバット
語彙力を失うくらい凄い。
本番ではない「ちょっとした余興」くらいのノリなのだが、レベルが高すぎる。
これを間近で見られる、しかも無料とか、どれだけ神イベなのか。
座談会後半は、メンバーの一人一人の自己紹介、広井王子への質問、ファンからの質問などなど、かなりリラックスした雰囲気に。
ファンからの質問への広井王子の答で見えてきた今後の少女歌劇団ミモザーヌの方向性は
夏公演の準備はもう始めている。曲も衣装も準備しているところ。日程の発表はもう少し先になる。
今までは夏公演2日(東京大阪でそれぞれ1日ずつ)だったが、今後はもっと増やしたい。イメージ的には5日くらい。
そのためにはメンバーはもっと増やさないといけない。50人くらい必要。
夏公演・冬公演のほかに、月一で公演することも検討中。やるとしたら規模は少し小さくなる。
ファンミーティングは、夏公演と冬公演の間に、春・秋くらいで開催していきたい。
こういうレッスン見学、座談会の他、一緒に写真を撮りに行ったり、ゴルフをしたりなんかいいかも。
こんな感じだった。
個人的には「Amazon MusicやApple Musicで音源を出して欲しい。公演後に聴いて思い出に浸りたいので」というリクエストをスタッフに伝えられてよかった。「検討します」と言ってくれたので楽しみ。
メンバーからファンへの質問もあって「ミモザーヌの中ではどの曲が好き?」とか「SNSでどういうコンテンツが見たい?」など、見たいもの聴きたいものに答えていきたいというメンバーたちのホスピタリティを感じることができた。
そんなこんなで、あっという間の1時間半。
少し予定時間を過ぎるくらいの盛り上がりだった。
閉会後、ファンクラブに入会手続きを取って会場を出ようとすると、代表メンバーがお見送り。
幸せな気分に浸って会場を後にした。
ファンクラブはチケットの優先予約やバースデーメッセージの特典もあるということだし、高い志をもった王道の活動をささえるためのささやかな力にでもなれればいいなと思う。
いままでの少女歌劇団ミモザーヌは「観れば絶対ハマるから強くお勧めしたいのに、観る機会がなかなかないからお勧めしにくい」というところがあった。
「今後公演を増やしていきたい」という今日の広井王子の話が実現していけば、今よりもずっとお勧めできる存在になるし、クチコミで評判が広がっていけば、確実にファンの裾野が拡大していくだろうと期待が持てる。