待った甲斐があった〜少女歌劇団ミモザーヌ冬公演@堺市立東文化会館

広井王子が手がけている」「吉本がバックにいる」程度の予備知識だけ見に行った夏公演。

それが少女歌劇団ミモザーヌとの出会いだった。

その出会いは、まるで雷が打つように僕の心を貫いた。

詳しくはその時のブログに書いた通り。

sharp.hatenablog.com

「もっと見たい」という想いがあったが時すでに遅し。

東京公演は僕は観た回で終わってしまった。

大阪公演は既にソールドアウトしていた。

その時決心した。

「次の公演はどこでやろうとも全部観に行こう」と。

そして、冬公演は12月28日に大阪で2公演、1月9日に東京で2公演と発表された。

年末で仕事納め前だったが、仕事を休んで大阪に行くことを決め、12月28日、堺市立東文化会館に足を運んだ。

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ミモザーヌは12歳から19歳のメンバーで構成され、一期生から三期生までの総勢26人。

一期生の中核メンバーの一人であるきくたまことが二十歳を迎え卒団するということで、この冬公演はきくたまことの卒団公演も兼ねていた。

公演は大きく第一部と第二部に分かれる。

東京公演が控えているので、あまりネタバレしない方がいいかもと思い、激しくネタバレしない程度に見所を記しておく。

まずは一期生で今回印象に残ったメンバー。

卒団するきくたまことはステージに登場してポーズを決めるだけで、あるいはワンフレーズ歌うだけで、場の雰囲気をびしっと締めるような存在感。

エースのいまもりまなかは美しさにますます磨きがかかり、目力だけでホール全体を支配するような輝き。

歌姫的存在のたかはしまおは、声量と表現力が夏公演から一段と高みに登っていて、本格的なミュージカルでも活躍できそうなレベル。

野球で言えば4番打者のようなオーラを持つすずきみあいムェンドワは、ソウルフルなボーカル、パワフルなダンスが武器だが、そればかりではなく、バラエティでの抜群の反射神経と度胸で場を沸かせた。

女優のような表現力を見せるいわむらゆきねは、長いセリフで空気を作ることはもちろん、セリフのない芝居でも説得力のある芝居を見せてくれる。

「ゆうか軍団」を率いるいわなみゆうかは、小さい身体から湧き上がるようなエネルギーを発していて、ムードメーカーとしての本領発揮。コミカルなキャラクターで笑いを誘うかと思えば、涙ぐむ姿では思いがけずもらい泣きさせられる。

身長170cmに迫るもうりさくらは、一見おっとりした外見からは想像できない弾けたキャラクターとダイナミックなダンスで魅了。

清楚を絵に描いたようなちばひなのは、「清く正しく美しく」という言葉を体現するような濁りのない輝き。

たかやあんなは一期生としては初々しさを感じさせる雰囲気を残していて、ベイビーキャッツでの子猫がはまっている。

次に成長著しい二期生。

まず何と言ってもともだりのあ。オープニングのセンターでの大人っぽさ、ベイビーキャッツの白猫のいたずらっぽさ、そして新曲「ファンタジーガール」でのドールのようなアイドル姿と、もう全方位に大活躍。前回公演で一番印象に残ったメンバーだったが、完全に魅力が開花。

みやはらにこはアクロバティックなダンスを最大の武器としているが、それだけでなく、ソロ歌唱も安定していて表情が楽しいのが印象に残る。

しものあやめは親しみやすい表情が持ち味で、見ている人を笑顔にしてしまう魔法を持っているかのよう。

ろれあは英語でのMCでインターナショナルな雰囲気を作るところも見せ場だが、「MONSTER NIGHT」でのストリート系の雰囲気があふれるダンスで輝いている。

三期生も、今回は個性が出てきている。

たなかあかりは、ベイビーキャッツでの猫っぽさがかわいく、「ファンタジーガール」でも一期生二期生に囲まれながら堂々とパフォーマンスを見せてくれる。

ひろせしずくは三期生の中では背が高くてシュッとした雰囲気になってきていて、「情熱フラミンゴ」「ファンタジーガール」できれいなダンスを見せる。

まだまだメンバーいて書ききれないけれども、また別の機会でも。


少女歌劇団ミモザーヌの公演は、「目がいくつあっても足りない」と感じるくらいに見せ場が多い。

歌、ダンス、セリフ、アクロバット・・・

全てが目まぐるしいくらいにステージの上で展開されていく。

曲ごとに変わる凝った衣装も魅力の一つ。

「アイドル」というフォーマットとは違う「少女歌劇団」の王道だと思う。

それを12歳から19歳のメンバーが成長しながら演じていくというのも、成長を見届けたいファンにはたまらない。

惜しいのは、いつでも見られるというわけではなく、年に数回ということ。

次に見る機会は1月9日(日)の東京公演。

これを逃すといつになるか分からない。

今回の冬公演、きくたまこと卒団公演は、次を逃すともう二度と見ることはできない。

ということで、多くの人に東京公演を勧めたいと思う。

ミュージカル好き、演劇好き、バレエ好きの人に。

そして成長を見守るのが好きな人に。