想像の上の上―ドロシー「STARTING OVER」ツアーファイナル渋谷O-EAST

きみが描くストーリーは
まるで虹色のメロディー
こぼれる幸せ 口ずさむラララ
何も言葉にしなくたって 目が合えば分かってたんだ
嬉しいときも
悲しいときも
楽しいときも
泣きそうなときも
全部 全部 一緒に感じてたいよ
ドロシーリトルハッピー「ストーリー」)

4/6のavex本社での個室ミーティングでドロシーのリーダーの白戸佳奈はこう語った。

東京の会場は、私達にとって思い入れのある場所ですから、特別なものにしたいと思います。

本日の会場のO-EASTは2年前に彼女達がワンマンを行った場所。「思い入れのある場所」とはそういう意味だ。

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彼女のその言葉と、今回のツアーに通った経験をもとに、あらかじめセトリを予想していた(ドロシー「STARTING OVER」ツアーファイナルのセトリ予想 - SHARPのアンシャープ日記)。

さて、今日のドロシーは何を魅せてくれるのだろう。O-EASTには、お花もたくさん来ている。寺嶋由芙ちゃんとか日テレとか。他にもいっぱい。

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日テレと言えば、開場前から取材も来ている。また、会場に入るとTVカメラが並びまくっていて、ツアーファイナルという以上に、何か普通ではない雰囲気。高揚感が場を支配してる。

今回のツアーの終盤のキャパは、名古屋500人、大阪700人、そして今日のファイナルの東京が1300人。まさに「ホップ、ステップ、ジャンプ」の跳躍。今日は定員一杯かは分からないけど、一階はぎっしり埋まり、二階にも人が大勢。1000人は越えている感じ。

幕が上がると、定番の「ストーリー」から。メンバーの楽しそうな笑顔!これが見たくて僕は今日ここに来たんだ。観客席で選んだ場所は1階後方の段差上のセンター最前列。ドロシーのパフォーマンスを堪能するには、間違いなく全体が見渡せる方がいいし、段差のおかげでとにかくメンバーと目が合う!

続いて「ドロシーの世界一周夏物語」へ。間奏の「人・間・国・宝、白戸佳奈!」のときの今日のポーズは両手で耳を作る「うさぎさんver」だった。

MCの自己紹介に続いて、「COLD BLUE」「崩れちゃう壊れちゃう」「My darling」と、ハードロックな3曲。会場の熱量が高く感じるのは、東京に戻ってくるのを待っていたせいか、ファイナルへの思い入れのせいか。会場からの声援が響く中、高橋麻里の澄んだ歌声が響き渡る。

MC。2年前を振り返るトーク。2年前にはステージが広く感じたとか、控室が懐かしかったとか。そして、ドロシーにとってはここでは2年間時計が止まっているということで、それを乗り越えるためのセトリになっていた。2年前にここで歌った「HAPPY DAYS!」、続いて、「never stop again」、「ナミダよりずっと速く」へ。きっと、止まっていた時計を動かすために、こういう曲を乗り越えていく自信を踏みしめているのだろう。

ここまでのツアーのセトリとは違った路線になって、サプライズのうれしさを噛みしめる。そもそもセトリが予想できないのがライブの醍醐味だろう。

前半のクライマックスになる「Life goes on」で、会場が一体になる。もう2年前のO-EASTも、去年の年末のCLUB CITTAも超えているんじゃないかという盛り上がり。

曲が終ると暗転し、メンバーは全員舞台袖にはける。入れ違うように、会場の左右に設置されたTVモニターから映像が流れてくる。

「ストーリー」をBGMに、今回のツアーの舞台と舞台裏を収録した映像。仙台、新潟、盛岡、広島、松山、名古屋、大阪。ステージの場面だったり、移動中の車や飛行機の場面だったり、楽屋での円陣の場面だったり。

自分も全部行っているので懐かしいやら、オフの場面を見られてうれしいやら。走馬灯のように蘇ってくるとはこういうことか。「嬉しいときも 悲しいときも 楽しいときも 泣いちゃいそうなときも 全部全部 一緒に感じたいよ」ストーリーの歌詞のように、ドロシーのツアーを一緒に追体験できる感覚。最後は、大阪のステージで白系の新衣装を着ている姿で画面がフェイドアウト。

と、O-EASTのステージ上にも、メンバーが新衣装に着替えて登場。

ツアーを振り返るMC。場所を一つ一つ挙げて、佳奈ちゃんが他のメンバーに印象を聴いていた。広島はやっぱりお好み焼きだよな。広島のお好み屋、自分が行った店と同じ?!とか、るうなちゃん食べてばっかり?とか、こうみんのストレッチ綺麗だなとか。

続いて、効果音とともに、TVモニターから「緊急報知」が流れてくる。

まず、7/16にNew Singleリリース(タイトル未定)。拍手喝采。

そして、8/6は、ツアーファイナル、つまり今日のDVD・BDもリリースされると。歓声が上がり、再び拍手喝采。

「だからTVカメラ一杯入っているのか」と納得。全国ツアーのオフショットのダイジェスト映像入っていて欲しいな。

続いて「colorful life」これは本当に春を感じさせる良曲。富永美杜のボーカルの張りが凄い。気合いもあるだろうけど、ツアーを通じて実力と自信が高まっている。本当に最近のみもの輝きは眩しいばかり。続いて「青い空」そして「恋をしてるのきっと」へ。この流れは安定感抜群。

新衣装での「テーマ」MCは、佳奈ちゃんから「2016年から山の日ができる」という導入があった後に、各自で「できたらいいなという祝日」を言うというお題。まずは麻里ちゃんが「毎月15日をイチゴの日にしてほしい、特に12月15日は私の誕生日なので…」から始まり、香美ちゃんが「毎月3日をライブの日にして、その日は仕事があってもライブに行く日にする」という流れに。「どうして3日なの?」という突っ込みに、こうみんが「ラ・イ・ブは3文字だから」という説明。会場からは「えー?(笑)」っという声が漏れる。

続いて、美杜ちゃんが「毎月何日でもいいけど、ほめるられる日がほしい」と主張。白戸センパイからは「じゃあ褒められることをしないとね」という切り返し。佳奈ちゃん、厳しい(笑) 続いて、その白戸センパイは、「8月に山の日ができると祝日のないのは6月だけになるので、6月に<雨の日>を作って、その日はみんな外出しない」と。ここまでは観客を唸らせるクールなアイデアだったが、それを美杜ちゃんの誕生日の6月14日にして、みんながお祝いに出かけられなくしようか?という意地悪なアイデアを出して、また、みもを困らせる…まあ愛情だよね、きっと(笑) 最後に瑠海ちゃんが自信満々に「海の日と山の日で自然はもうあるので、あとは<食>だと思うんですよ」と言うと、会場からは「おーっ」という声が。ということで、るうちゃんの結論は「毎月29日は美味しいものを食べる日に」という安定の食いしん坊オチ。

MCは「平日には皆さんは学校とか会社があると思うのですけど、休みの日にはどうかドロシーのライブに来て癒されてください」そして「休みの日と言えば、お出かけですよね」というスムーズな流れで「どこか連れていって」の曲紹介につながった。これが6連続の沸きセトリの始まり。

「どこか連れていって」「nerve」「未来への虹」「恋は走りだした」「2 the sky」という流れ。「2 the sky」は振付けが大幅に変わっていた。そして、「CLAP!CLAP!CLAP!」へ。

この6曲は熱量が会場に充満する時間帯。「nerve」での推しジャンも凄かったし、「未来への虹」のタオル回しや民族大移動も熱かった。でも、一番盛り上がるのは、やっぱり「恋は走りだした」。メインボーカルを取る秋元瑠海の綺麗なハイトーンは、ときにファルセットを交えながら、澄み切った気持ちを伝えて来るようだった。

そして、「これが最後の曲」という紹介で、ここまでのツアーでは前半のクライマックスにしていた「STARTING OVER」を披露。さっきまでの沸いていた空気が嘘のように、空気が張りつめる。この切り替えがいまのドロシーのクオリティの高さを示している。今日も高橋麻里もボーカルは心の奥まで響いてきた。綺麗な照明を背景に踊るメンバーのシルエットが美しい。楽曲世界に入り込んだ早坂香美の切ない表情が刺さる。

いつまでも終わらない拍手に送られながらメンバー退場。そこからアンコール。

まずは、メンバーが歌いたいということで、タイトルも決まっていない新曲を披露。初夏をイメージした爽やかな曲ということで、「STARTING OVER」とは違って肩の力を抜いて聴いてほしいとの紹介。確かに気軽に聴ける感じの印象の曲だが、振付けはドロシーらしく凝っていて精密という素晴らしさ。この夏は、より多くの人にドロシーのパフォーマンスが届くのではないかという予感がする。

曲が終わった後、5/31に寺嶋由芙と高橋麻里によるユニット企画「ユフ♬マリ」が始動するとの発表。このときのこうみんの何ともうらやましそうな表情!(笑) しかし、今日は緊急告知が多すぎて覚えきれない…

と思ったら、スタッフが舞台袖からTVモニターを運んできてドロシーのメンバーに見えるように設置。リモコンを押すと「緊急報知」として「9/6 Zepp DiverCity TOKYO」でワンマンを行うとの告知。泣きだす瑠海ちゃん。そして佳奈ちゃんは「聞いてないけどこれ本当に?」と確認しようとするけど、確認する相手がいない(笑) そして、無邪気に喜ぶ麻里ちゃん。

佳奈ちゃんが、「今日もこうして大きな会場でライブができているけど、さらに大きな会場で演れるのは、スタッフのみなさんや、ずっと支えてくれるファンのみなさんのおかげです」と落ち着いて挨拶。サプライズの発表にも、こうやって感謝の気持ちを言葉にできるところが、さすが我らがダーリー白戸佳奈!

正直、このツアーが終わってほしくない、今日のステージが終わってほしくないと思っていたけれど、これでまだ生きていく希望ができた。

最後に「ジャンプ!」。Zepp Divercityの告知があったこともあって、また一気に会場の熱量が高まる。ツアーファイナルの終盤を「ホップ、ステップ、ジャンプ」で見事に駆け抜けたドロシー。このツアーを締めくくる曲として「ジャンプ!」というのは実にふさわしい。そして、9月のZepp Divercityに向けてまた助走を重ねていって、さらに大きなジャンプを見せて欲しい。

そんなことを考えながら、メンバーと客席の一体感を味わって、サビでジャンプ! 「高鳴るこの胸 止められない」って歌詞の通り、本当に高鳴りっぱなし。最後にもう一度ジャンプ!! これでアンコールは終了。メンバーは舞台袖へ。

しかし、会場の方はますます興奮を押さえられない。一回目より大きな拍手と歓声でダブルアンコール。再登場したメンバーはみな感極まった様子。佳奈ちゃんが「私達は不器用なので、この感謝の気持ちを言葉にして伝えられないんです。だから、歌うことで気持ちを伝えていけたら」と言って、「デモサヨナラ」を熱演。ファンも、心待ちにしていた\オレモー!/でドロシーへの気持ちを表現した。ありがとう。大好きだよという気持ちを込めて。

「デモサヨナラ」を歌い終えると、ドロシーのメンバーは5人で横一列に並んで、隣同士で手をつないだ。そして、声を揃えて「今日は本当にありがとうございました!」と肉声でお礼の言葉を発して、繋いだ手を高々と上げながら、深々とお辞儀をした。その姿は、まるで大舞台のカーテンコールに応えるキャストのようだ。

ダブルアンコールが終わり、メンバーが退場しも、会場の拍手と「アンコール」の声援の嵐は止まない。だが、もう特典会の予定時間。ということで、余韻を惜しむようにゆっくりと客電が点灯し、握手会へ。会場の外に並ぶ列は、どこまで続くようだった(握手を求めるファンが多く、制限時間になっても握手が終わらなかったので、最後はハイタッチ会に変更になった)。

公演後、白戸佳奈に僕はこう言葉をかけた。「想像の上の上、サプライズがたくさんあって凄くよかった」と。僕の予想したセトリで当たったのは22曲中16曲。ダブルアンコールの「デモサヨナラ」は予想的中だったけれども、新曲の披露を含めて、予想を気持ちよく覆してくれた。本当に想像の上の上だった。

こうして、ドロシーの「STARTING OVER」のツアーは、成功裡に終わった。ファンとしても大満足だった。一緒に行った各地のVTRを鑑賞しながら、過去を振り返る楽しさと、気持ちに区切りをつける寂しさを同時に感じていた。だが、その寂しさも、ZEPP DiverCityという新たな目標を与えられたことで、掻き消えた。

もちろん、ZEPP DiverCityはドロシーにとってはチャレンジであろう。今日のO-EASTのキャパは約1300人、Zepp Divercityのキャパは2,400人。ほぼ倍だ。

だが、ZEPP DiverCityを埋めるのは、次の目標であると同時に、通過点でもある。その先に、彼女達はもっと大きな目標を見ているはず。

ファンもそこに行くまでの階段を一緒に上っていくだけだ。どんなときも「全部 全部 一緒に感じてたいよ」という「ストーリー」の歌詞のように。それに、僕たちファンは、ドロシーに恋をしているのだから。

(「恋をしてるのきっと」のエンディングのポーズで。今日撮影がないので昨日撮影)
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今夜ドロシーはその階段を大きく上ったように見える。ファンとしてこんなにうれしいことはない。

今日のライブの様子は5/5に日本テレビの「スッキリ!!」で放送される。また、8月に発売されるBD/DVDを見ることもできる。ドロシーのパフォーマンスが魅せる世界が、映像や音を使ったメディアを通じて、より多くの人が触れることを願って止まない。

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(セットリスト)

ストーリー
ドロシーの世界一周夏物語
COLD BLUE
崩れちゃう壊れちゃう
My darling
Happy Days!
never stop again
ナミダよりずっと速く
Life goes on

colorful life
青い空
恋をしてるのきっと
どこか連れていって
nerve
未来への虹
恋は走りだした
2 the sky
CLAP!CLAP!CLAP!
STARTING OVER
(タイトル未定、新曲)
ジャンプ!
デモサヨナラ

(ドロシー「STARTING OVER」全国ツアー鑑賞記録)
遠征は本当に楽しかった。どの会場のライブにも思い出があるが、ファイナルに向けた高まりをドロシーと一緒に共有できたのが何よりの宝物。全通して良かった。

(おまけ)
アルバム「STARTING OVER」特典の写真。このツアーが終わるまでにコンプリートを目指していた12種類。無事に集まった。ダブりを交換して下さった方々に感謝。

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最後に、これはメンバーには何の責任もないことだけど、前方で騒いでいたごく一部の観客の行為は、場内の多くの人がドロシーの素晴らしいパフォーマンスを楽しむ妨げになっていた。ドロシーリトルハッピーは、これから、もっと多くの人の前で、もっと広いステージで歌って、さらに上を目指していくユニットだ。ファンならその夢を叶えるのを支えるべきであって、邪魔してはならないと思う。