ひぐらしのなく頃に解〜目明し編

(以下、ネタバレを含みます)

ミステリの原則に「登場人物に双子がいる場合は、入れ替わっていることを疑え」というのがあるかどうかは知らないが、古今東西の名作のトリックの一つになっている。

本作の場合、魅音が詩音で、詩音が魅音なのをまずは疑ってかかるべきであるが、どの時点で入れ替わっているのか、どうやって見分けるのか、というあたりがまずはポイントだ。その辺は、ちょっとトリッキーだと思う。

そして、詩音(あるいは元・魅音と呼ぶべきか)が、いかにして心の中に鬼を宿らせ、悟史への愛を歪んだ形で多くの人に向けて、その結果大量殺人を犯したか、というところだが、個人的にはちょっと不自然かなあ、行き過ぎかなあと感じた。人はここまで殺人鬼になれるのだろうか。

いずれにしても、ミステリとして楽しめたと同時に、女性の怖さというものも感じた。さあ、他のストーリーも読んでみよう。