『殺人鬼から逃げる夜』を観に行った。
夜となると人気もまばらな再開発地区を舞台に、聴覚障害者の主人公がサイコキラーに追われるサスペンス。
障害を持つ主人公が敵に追われるという設定は『ドントブリーズ』の変形とも言えるものだが、聴覚障害のハンデが「音から情報を得ることができない」という点だけではなく、「情報を伝えることができない」という社会とのコミュニケーションにもある点を浮き彫りにしていて、そこに焦点を当てた展開に唸った。
細かいところでは色々とツッコミどころもあるが、最後まで息をつかせない優れたサスペンション。
監督・脚本のクォン・オスンはなんとこれがデビュー作。
韓国映画界のレベルの高さは、アカデミー賞のトップクラスだけではなく、しっかりとした裾野にも及んでいるだな。