三井住友FG、統合比率提示

もうこのネタはやめたいのだが、あまりに頭が悪いので。

そもそもUFJとの統合といっても、三菱東京FGとは信託を含めたスキームであり、三井住友FGの提案しているものは、信託を除いた統合。この点だけでも、両者の統合は本質的に異なるものであり、優劣を統合比率という数値に一元化できるはずはない(もっと細かいことを言えば、傘下証券会社についても信託と同様に統合のスキームが異なる)。

また、三井住友と三菱東京の株価水準が違うため、それぞれのケースで統合比率が異なるのは、むしろ当然。株価の安い三井住友の方がUFJとの統合比率は対等に近づくだろうが、それ自体をもって統合相手としての優劣を論じるのはナンセンス(本質的に意味があるとすれば、実際の株価の比率からの乖離がどれだけあるかという点であるが、あまりに乖離すれば三井住友は自分の株主の利益を損ないかねない)。

さらに、この統合比率のアピールが誰に対して向けられているのかも不明確。現在のUFJの株主がターゲットだとすれば、彼らを見くびりすぎ(「朝三暮四」のことわざのごとし)。

アピールする相手がUFJの株主ではなく経営陣だとすれば、三井住友のしていることは横槍を入れるという程度を超えており、もはやストーカーの迷惑行為に近い。こういう行いがマーケットにおける自行の評価を落とすということをそろそろ意識すべき時期にきている。