これもまたセカイ系だ〜『イリヤの空、UFOの夏』

(ネタバレを含みます)

イリヤの空、UFOの夏』全4巻を一気に読んだ。

設定は『最終兵器彼女』や『終戦のローレライ』と同じ。つまり、いたいけな少女がその特異な才能ゆえに戦闘兵器の核となっている。主人公はその少女と出会い、お互いに恋愛感情のようなものを抱く…

源流は『エヴァンゲリオン』の綾波だろう。「ボーイ・ミーツ・ガール」と銘打っているこの小説も、またセカイ系だった。つまり、主人公のヒロインに対する感情が世界の趨勢を決める。結局のところ、戦争の原因や、敵の正体は、よく分からない。

そして、お世辞にも洗練されているとは言えない文体は、いかにも電撃文庫らしい。『半分の月がのぼる空』の文体は、この作品の劣化コピーのようなものだ。

しかしながら、何も難しいことを考えずに時間をつぶせるという点で、このようなライトノベルは役に立つと思う。人はいつも何かを考えていたいというわけではないから。そういう目的であれば、「DS電撃文庫」というNintendo DSを用いた作品鑑賞というのは、よいアイデアだと思う。下手なゲームをやるよりもよっぽど時間つぶしができそうだ。

原作はこちら。