里香の主治医である夏目の生い立ちに大半を費やしている。個人的には、作品としては破綻スレスレだと思う。どんな作品でも、脇役にもバックグラウンドはある。当たり前だ。どんな人物でも、その人の人生では主役を演じているわけだから。
だが、ライトノベルで主治医の高校時代を時間を遡って描くというのは、よっぽどの必然性がない限り、読み手には受け入れがたい。主治医がどんな高校生でどんな選択をして医者への道を志したのかなんて話は、作品の行間で読ますべきものだ。
半分の月がのぼる空〈4〉 grabbing at the half-moon (電撃文庫)
- 作者: 橋本紡,山本ケイジ
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2005/02
- メディア: 文庫
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とはいえ、この作品は「大切な人を失うことの切なさ」に溢れている。次の巻で、あるべき軌道に戻ることに期待。