ソニーとコニカミノルタがデジタル一眼レフを共同開発

一昨年、キヤノンがEOSKissデジタルをもって仕掛けたデジタル一眼レフの低価格化によって、デジカメのハイアマチュア市場は、一体型高級機から一眼レフへと潮目が変わっていた。ニコン、ペンタックスオリンパス各社もそれぞれ特徴ある低価格デジタル一眼レフを発売しており、この分野でしのぎを削っている。DiMAGE-Aシリーズで頑張っていたコニカミノルタも、昨年になってαデジタルシリーズをリリース、この市場に本格参入した。

さて、このトレンドに乗り遅れていたソニーがいよいよ動き出した。DSC-828(添付画像)のような一体型高級機を定価168,000円で販売していても勝てるわけがない*1ということで、今般、コニカミノルタの規格に乗っかる格好でデジタル一眼レフ市場への参入を発表した。

ソニーとコニカミノルタデジタル一眼レフを共同開発

 ソニーとコニカミノルタフォトイメージング(東京・新宿)は19日、レンズ交換式デジタル一眼レフカメラを共同開発することで合意したと発表した。来年夏をめどに新製品を開発し、それぞれのブランドで販売する。ソニーはデジタルカメラ市場で一眼レフの需要が今後拡大すると判断。コンパクト製品に加え、一眼レフでもデジカメ市場を開拓する。

 ソニーはコニカミノルタにデジカメの基幹部品である画像センサーのCCD(電荷結合素子)を一部供給している。レンズ交換式のデジタル一眼レフはレンズとカメラ本体を接続する規格が各社によって異なるが、コニカミノルタの規格をもとに製品開発を進める。

 新製品はコニカミノルタがこれまで販売した約1600万本の交換レンズを使えるタイプ。ソニーは事実上、コニカミノルタが抱える一眼レフのユーザーを取り込むことになる。大手電機メーカーで一眼レフ市場に参入するのは松下電器産業に続き2社目。 (7/19 19:31)

日本経済新聞

今回の参入は、電機メーカーとしては、松下のフォーサーズ規格参画に続いて2社目。ソニーの悪い癖でレンズマウントも独自に開発するなどと言い出すのではないかと思ったが、さすがにここまで市場の変化に遅れを取ってしまってからの独自規格には勝ち目がないと踏んだのだろう。今回のこの判断は、ソニーにしては妥当だと思う。ただ、コニカミノルタマウントは、現在のデジタル一眼レフの中では少数派になるのだが、そこがソニーらしいといえばソニーらしい。

しかし、根本的な疑問が残る。ソニーは一体何を作って何を売るんだろう。交換レンズについては、コニカミノルタ製の1600万本が流通しているし*2、本体については、手ぶれ補正(アンチシェイク)という強烈なアピールポイントを持つコニカミノルタのαデジタルシリーズが存在する状況で、ソニー製品の入る余地はあるのだろうか。 OEM? いまのデジカメ市場で"SONY"というブランドにそんな神通力はないだろう。

え? カール・ツァイスレンズ?(笑) …とりあえずノーコメントで。

*1:なお、一眼レフが一体型高級機よりも絶対的に優れているというわけではない。たとえば、レンズ交換に伴う映像素子へのゴミ付着などは一般的な一眼レフ機が抱える構造的な問題である

*2:TAMRONやSIGMAなどのサードパーティー製を加えるとこの数はさらに増えるだろう