広末の自然な演技が光る〜『恋愛寫眞』

恋愛寫眞 - Collage of Our Life - [DVD]

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2003年の作品だが堤幸彦監督の『恋愛寫眞』を観た。カメラマン志望の大学生・誠人(松田龍平)と、彼の前に突然現れ自由奔放な行動で彼を振回す静流(広末涼子)が織りなすラヴストーリー。

松田龍平、すごくかっこいい。ナレーションの英語の発音だけは苦笑せざるを得ないが、長身でちょっと猫背な体躯が見せる立ち居振る舞い、オーバーアクションを避けるかのように控え目な顔の表情、低音でボソボソしているのになぜか聞いていて心地好くなる声、どれをとっても凄く存在感がある。そしてセクシー。時折見せる父親譲りの物憂げな表情は、見るものを切なくさせる。

また、この映画での広末涼子は、とても自然。こんなに役にはまった広末涼子も珍しいんじゃないだろうか。いつも黒い服を着て、自由奔放で、ときに周囲に誤解されながらも、媚びることなく、自分の信念・価値観をしっかりと貫いてく。写真の腕をめきめきと上げていくところなんかとても魅力的。

映画を通じて、キヤノンのF-1が使われているのだが、やっぱりこのカメラはものすごく絵になる。自分で使おうとは思わないけれども、飾っておいたら美しいなと思わせるデザインだということを、これでもかというほど実感させられた。

エンディングテーマは山下達郎の『2000トンの雨』で、ニューヨークの街を遠景にしてエンドロールが流れるのだが、同じように山下達郎の歌をエンディングにした映画『東京タワー』とは違って、とてもしっくりくる終わり方だった。

劇中に出てくる数多くの綺麗な写真も見逃せない。写真好きにはたまらない映画。細かいアラもあるけれど、おすすめ。

作品の公式サイトは、http://www.c-o-o-l.jp/intro_f.html