1ヶ月くらい前、劇場に足を運んだときに、入場で豪華チラシが配られ、予告で力の入った動画を見せられる。
それが『愛なき森で叫べ』だった。
NETFLIX、プロモーションにお金かけてるよなと思ったが、内容が内容だけになかなか見る機会がなく今日になってしまった。
園子温監督らしいバイオレンスと衝動の世界観。
椎名桔平の不気味な演技、満島真之介のクールな存在感、いずれも役者魂を感じた。日南響子、鎌滝えりは、いずれも「体当たり」で演出的に苦悩を感じさせる演技。
ただ、全体的に振り切れていないと感じるところがあって、カタルシス不足。
エンディングの曖昧さも個人的には置いてけぼりにされた感。
北九州連続殺人事件に題材を得てはいるが、ドキュメンタリー調でもなく、別のテーマ(映画製作や演劇)と混在してしまっていて、人間の冷酷さや残酷さを突き詰めた感じには至っていない。
椎名桔平の演技がもっと悪人・サイコパスに振り切って欲しいというか、『全裸監督』での振り切った山田孝之の演技とか、『ジョーカー』でのホアキン・フェニックスと比べちゃうのがいけないのかもしれないけれども。