『愛なき森で叫べ』(2019年、園子温監督、NETFLIXオリジナル)

1ヶ月くらい前、劇場に足を運んだときに、入場で豪華チラシが配られ、予告で力の入った動画を見せられる。

それが『愛なき森で叫べ』だった。

NETFLIX、プロモーションにお金かけてるよなと思ったが、内容が内容だけになかなか見る機会がなく今日になってしまった。

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園子温監督らしいバイオレンスと衝動の世界観。

椎名桔平の不気味な演技、満島真之介のクールな存在感、いずれも役者魂を感じた。日南響子鎌滝えりは、いずれも「体当たり」で演出的に苦悩を感じさせる演技。

ただ、全体的に振り切れていないと感じるところがあって、カタルシス不足。

エンディングの曖昧さも個人的には置いてけぼりにされた感。

北九州連続殺人事件に題材を得てはいるが、ドキュメンタリー調でもなく、別のテーマ(映画製作や演劇)と混在してしまっていて、人間の冷酷さや残酷さを突き詰めた感じには至っていない。

椎名桔平の演技がもっと悪人・サイコパスに振り切って欲しいというか、『全裸監督』での振り切った山田孝之の演技とか、『ジョーカー』でのホアキン・フェニックスと比べちゃうのがいけないのかもしれないけれども。