サノスの指パッチン後の世界を描くMCUの作品群の一つ『エターナルズ』を観に行った。
地球外生命体のスーパーヒーロー10名による群像劇、と思いきや、そんな単純な話ではなかった。
「スーパーヒーローはなぜ広大な宇宙の中のちっぽけな地球の人類をわざわざ守るのか」についての根源的な問いかけ。
『魔法少女まどか☆マギカ』的なスケールの大きさと、コペルニクス的転回は、虚淵玄の描くような相対的な正義感。
そして、「絶対的な悪」というのもはなく、あるのはただ「正義と正義のぶつかり合い」という構図は、まるで平成仮面ライダーのよう。
世界観やキャラの設定にも、アメコミだけではなく、日本のオタクカルチャーの影響を受けているっぽいところもあった。
映画作品としては、物語のテンポもよく、キャラクターも多様性に溢れていながら魅力的で、アクションのスケールも大きい。
監督のクロエ・ジャオは中国人女性だし、主役のセルシを演じるジェンマ・チャンは中国系イギリス人。
ここまで来ると「多様性」というよりも別のバイアスを感じさせる気がしないでもないが、まあいずれも魅力的。
アジア系男性として韓国映画でも大人気のマ・ドンソクも出てきて、アンジェリーナ・ジョリーとの掛け合いで絶妙な演技を見せてくれる。
日本が影も形もないのは寂しいが現実の世界での存在感を考えるとやむなし。
多様性と共に新しいマーベルの幕が上がった。続きが早く観たい!