W176に乗り始めて1ヶ月、1200km。
1ヶ月で1200kmはなかなかのハイペースで、前のE91時代は月100kmくらいだったから、およそ10倍。
販売店保証が「1ヶ月、1000km」と短めだったこともあり、その間にどんどん乗って不具合が出たら直してもらうと思ったのだけれども、結局は、ウィンドウウォッシャーのホースの外れだけだった。
燃費の方は街乗り主体で10km/l、高速主体だと12-14km/lというところ。高速では渋滞が多いと12km/lまで下がるが、スムーズだと14km/lという感じか。
ディストロニックプラスのおかげで、高速の移動は本当にストレスがない。
特に土日の夕方の上りの渋滞でも、前車に追突するリスクを無くしてくれるという安心感だけで、疲労が相当少なくなる。
今は多くのメーカーがこの種の機能を用意してくれているけれども、メルセデスのディストロニックプラスには安心感がある。
「ついててよかったレーダーパッケージ」といったところだ。
いつか車を買い替えるときが来ても、このディストロニックプラス、バックカメラ、ブラインドスポットは絶対欠かせないという感じ。
前方の車両と距離・速度を保ちながら走るのは相当楽で、その上、メルセデスマークのおかげか、結構譲ってくれることが多い。
この辺、Aクラスといえどもメーカーのブランド力の恩恵を感じている。
あと「W176は加速が鈍い」と言われていて、それは間違いということでもないんだけれども、実際にはアクセル開度とエンジントルクが感覚上も非線形になっていることが真因だと思う。
メルセデスの思想として、「安全のために、エコのために、急加速・急ハンドル・急ブレーキはさせない」というのがあると思うけれども、まさに急加速をさせないために、アクセルペダルの設定を鈍くしている気がする。
足で踏まずにディストロニックプラスのレバーオンで発進すると、加速が鈍いという感じは霧散する。
絶対的なトルクに変化はないはずなので、実際には足で踏んだ時の期待加速との実際の加速とのギャップを「遅い」と脳が捉えてしまうのだと思う。
ディストロで加速すればそのギャップはなく、むしろスムーズに感じる。
ディストロは減速のブレーキもまあまあ平準化されてて、個人的には止まるときはもう少し早めでもいいかもとは思うが、人間の感覚の揺らぎよりもテクノロジーの方が勝るということなんだろうと思う。
それから、純正ナビをどう評価するかはちょっと難しい。
そんなに機能が多いわけではないし、使い勝手もそこそこ。
ただ、DRGで常に最適ルートを選んで到着時刻を表示してくれるという点において信頼はできると思う。
困ることはない、というのが率直なところ。
あとは、やっぱり足回りの硬さというかギクシャクは気になる。
完全に垂直方向に入るような段差は一発で収めてくれるけれども、轍のような左右にうねりのある悪路は苦手な感じ。
上下だけではなく、左右に細かく揺さぶられるような感じになる。
これは同じドイツ車でもゴルフやBMWではなかったもので、国産のフニャフニャな設定よりは好ましいが、ベストとは言えないところ。
サスのセッティングなのか、ランフラットタイヤの癖なのか、扁平率40ゆえなのか、それとも6万キロを超えたヘタレが原因なのかはわからない。
次にタイヤ交換の時期が来たら、ランフラットからノーマルに替えて確認してみたいと思う。
この車の個性は大体掴めたかなと思う1ヶ月だったし、ロングドライブが好きになった。
「3年で乗り潰す」と思って買ったけれども、ちょうどいい後継はなかなか見出しにくいかもしれない。