宝塚星組「RRR × TAKA"R"AZUKA ~√Bheem~」千秋楽LV

最近、原作改変に関する議論が盛り上がっているけれども、宝塚は古今の名作を舞台にするなあとずっと感心していた。

とはいえ、なかなかビギナーには入りにくい世界であるとも感じていた。

それが、大ヒットしたインド映画の『RRR』を舞台にするということで、これは見たい!きっと相性抜群だ!と思わずにはいられなくなった。

だが、劇場のチケットなど取れるはずもなく、今回、宝塚劇場の千秋楽のライブビューイングへ。

凄い。

美しい。

長い映画のエッセンスを過不足なく盛り込みながら、エモーショナルに見せてくれた。

しっかりRRRでしっかり宝塚。

ビームとラーマの二人の出会いも、最大の見せ場のナートゥダンスも、鞭打ちに堪えながら土着的な歌で民衆を鼓舞する姿も、最後の二人の和解から共闘、そして大団円まで、どこも感動の連続。

ビームのいい奴感、ラーマのイケメン、ジェニーの強さ、どれも原作リスペクトの上に宝塚ならではの魅力が加わっていた(個人的にはラーマの人めちゃめちゃかっこよくて痺れた)。

そうそう、原作映画では「イギリスのイヤなやつ」感が強いジェイクも、宝塚版ではジェニーのよき理解者として「ツンデレ系巻き込まれイイやつ」キャラにうまくアレンジされていて、なぜか笑いも取っていてほっこり。

この『RRR』だけでもおなか一杯、元取った感じだけど、そこに怒涛のようなレビューが加わって「これが宝塚の醍醐味か!」となった。

クラシック、ジャズ、シャンソン、歌謡・・・

数えきれないほどのジャンルの音楽が次から次へと繰り広げられ、衣装や世界観が目まぐるしく変わる。

文字通り息をする暇もない。

凄いね。

ライブビューだけどまるで舞台を見ているような臨場感。

これが実際の舞台だったら、どんだけ凄いんだろ。

と、気付いたら、いつか宝塚に行く日を夢想していた。