ジュディマリでデビューして29年、YUKIとしてソロ活動を始めて20年。
そんなYUKIが7年ぶりに武道館ワンマンをやるということで行ってきた。
同世代の音楽ファンとしてYUKIの活動はずっと見てきたが、「かわいい」「おしゃれ」という以上に「奔放」というのが僕のイメージ。
日本では80年代までは「男性は女性をエスコートするもの」という価値観があったが、90年の日本でその価値観を古いものに見せたのは、のびやかに奔放に自己表現するYUKIだった。
しかも変に肩肘張った主張をするのではなく、ごく自然に、そしてすごくおしゃれに。
ソロ活動を始めてからは、バンドサウンドの枠組みも軽やかに飛び越えて、ダンスミュージック、ソウル、R&Bなどの多彩な音楽に乗せて、偽りのない等身大の言葉を紡いでいっているところが眩しくもあった。
音楽的にはポップの王道を大きく外れることはないのに、アートワークに実験的な要素が入るのもYUKIの魅力で、ツアーパンフレットは装丁から中身までまるで美術書のようで、今でも大切にコレクションしている。
そんなYUKIのソロ20年ワンマン。
リード曲からロック回帰というかバンドサウンド強調している感じで、武道館を熱くするのには十分。
スクリーンを活用したVJもとても現代的な演出。
衣装はデザイン性が前面に出ているもので、ファッションショーのような存在感のある衣装を3着着替えていて、飽きさせない。
後半では、バンドメンバー5人に加えて、ストリングス8人、ホーン5名が加わるとっても贅沢な編成。
これで盛り上がらないわけがない。
総勢13人のバックを従えて、ステージを所狭しと動いて、飛んで、踊って、そして歌声の会場に響かせるYUKI。
まさに20年間、ポップスターであり続け、全く衰えることのない姿を見せてくれた。
本人がMCで語っていたように、20年間のレパートリーの蓄積は「名曲の大渋滞」。
今日のライブも、衣装替えの時間を除くとずっと歌いっぱなし、踊りっぱなしと言ってもいいセトリだったけれども、それでも「あの曲も聴きたかったな」という曲がまだまだ残ってるくらい。
客席を見渡すと、30年来のファンなんだろうな人もいれば、親子で来ている人もいれば、カップルで来ている若い人たちもいるという幅広さ。
まさに世代を超えて愛されるアーチストだと実感した。
来年2月には、ソニーミュージックから11枚目のオリジナルアルバム『パレードが続くなら』が発売されるYUKI。
パレードはまだまだ続くし、まだまだパレードを追いかけていきたい。