5月に発売された藤井風の『HELP EVER HURT NEVER』をずっと聴いている。
え、藤井風って誰なん?wって?
このひとです。
藤井風は音楽が指先からこぼれ落ちるように紡がれるアーティストで、ピアノの腕前もすごけりゃ、低音を響かせるボーカルの色気もすごい。
藤井 風(Fujii Kaze) - Piano Live Streaming ピアノ弾き語りライブ配信 Day 1
最近のアーティストが、DTMやボカロPのバックグラウンドを感じさせる中で、彼は生粋のピアノプレーヤーという感じ。
音楽的には、古今東西の名曲を完全に自分の色に染めることもできれば、オリジナリティ溢れる楽曲を紡ぐこともできる。
凄いなあ、Mステ出てほしいなあとずっとTweetしていたんだけど、Mステ出演より前に日本武道館ワンマンライブが決まってしまった。
ほんと、めでたい。
ということで、武道館ワンマン決定を祝して、ずっと温めていた『HELP EVER HURT NEVER』の全曲インプレをここに記しておこう。
- 1 何なんw
藤井風(Fujii Kaze) - “何なんw”(Nan-Nan) Official Video
イントロからギミックすごい。クラシックのようなピアノ→一人アカペラ→ギター。展開の読めない曲はまさにサブスク時代の王道。
サビで全てが統合されてサウンドオブウォールになるのが快感。Dメロの「神様助けてやばめやばめ」の色気も最高。
- 2 もうええわ
藤井 風(Fujii Kaze) - "もうええわ"(Mo-Eh-Wa) Official Video
ホンキートンクの懐かさ漂うイントロから、Aメロのエレピ、関西弁が印象に残るサビのしっとりしたR&Bバラード。
サビの転調のセンスが凄いよな。
- 3 優しさ
藤井 風(Fujii Kaze) - "優しさ"(YASASHISA) Official Video
ピアノのテンションコードにストリングスが静かに加わる壮大なバラード。控えめになる打ち込みのビートもボーカルのバイブスを引き立たせる。J-POPの文脈に連なる世界観で、今の日本の音楽シーンでは最も支持されそう。
- 4 キリがないから
藤井 風(Fujii Kaze) - "キリがないから"(Cause It's Endless) Official Video
チルアウトなナンバー。レゾナンスの聞いたリードシンセ、ライムを踏んで畳みかけような歌詞。ボーカルに絡むエフェクターも多彩でクセになる。
- 5 罪の香り
(MVなし)
一転してビッグバンド風のイントロ、ボーカルが入って一気にソウルフルで昭和ムード歌謡っぽい雰囲気が漂う。
ムンムン(死語)するような暑苦しいほどの歌声は初期オリジナルラブを思い出させる。
- 6 調子のっちゃって
(MVなし)
フィラデルフィアソウルのようなサウンドにどきっとするようなセクシーな歌詞。
エンディングのウィスパーがまた最高。
- 7 特にない
(MVなし)
ピアノのリフ+打ち込みのパーカッション中心のシンプルなサウンドに生々しい感触のボーカルを乗せて、歌詞が引き立つ。
Bメロの英語の発音がめちゃめちゃよくてびっくり。
- 8 死ぬのがいいわ
(MVなし)
日本語のリズムと英語のリズムが自然にメロディに乗ってサビを口ずさんでしまう。こういう歌詞、今はオンエアされにくい時代かもしれない。音楽的には、切り取られて消費されるタイプのアーティストではないけれど、現在のヒットの法則的にはこの曲あたりがTikTokで火がついて売れるというのもありかも。
- 9 風よ
(MVなし)
ピアノのリフの上に優しさを感じさせるボーカル。12/8のスイング感が心地よい。終盤のシャウトの歌唱力に痺れる。
- 10 さよならベイべ
(MVなし)
生々しさを圧縮したようなボーカルのギターロック。歪んだギターの音が渋さを演出。これもJ-POPの系譜に連なる王道。
終盤のギターソロとボーカルの絡みがエモーショナル。ライブ向き、というかフェス向きな感じ。早くフェスで見たいな。
- 11 帰ろう
藤井 風(Fujii Kaze) - "帰ろう"(Kaerou) Official Video
アルバムを締めくくるにふさわしい、シンプルなピアノに乗せた優しいボーカル。切ない歌詞のバラード。
この曲もストリングスの入り方で泣かせる。生きる希望を与えてくれるナンバー。
こんな感じです。
コロナの影響でツアーも中止になって、なかなかライブで聴ける機会が少ない中、いきなりの武道館ワンマンはサプライズ。
ソーシャルディスタンスのライブで客席も少なめだと思うので、チケット全然当たる気がしないですが、行きたいね。
アルバムは、サブスクで聴けるのでぜひ!
HELP EVER HURT NEVER(初回盤)(2CD)
- アーティスト:藤井 風
- 発売日: 2020/05/20
- メディア: CD
CDは初回盤だとカバー曲も入っているらしい。お買い得かも!