上白石萌音「MONE KAMISHIRAISHI 2023」@武道館

上白石萌音の初の武道館ワンマンへ。

ヒロインの声優を務めた『君の名は。』の挿入歌「なんでもないや」で始まり、初期の曲から時をゆっくり重ねていくように代表曲を披露。

館内の照明を全点灯させて始まる演出は、まるで今日来たファンの姿を彼女が見えるようにするかのよう。

MCでは、歴史的な大寒波による交通機関の乱れにも触れて、ファンを気遣う言葉も。

初の武道館なのに、気負った感じは見せず、観客をまるで彼女の自宅に招くようなリラックスしたおもてなし。

こういうところが「国民的タレント」として支持されるところなのかもしれない。

2枚組のカバーアルバム『あのうた』から、昭和歌謡中心のカバー曲のメドレーを15分にわたって聴かせる。

MCでは「どこから来たの?」とか「(年齢)XX代の人?」とか観客に呼びかけていたけれども、文字通り「日本中」から「老若男女」が集まっていて、幅広い層から愛されてるなと実感。

自分が一番好きな曲「ストーリーボード」が聴けて、カバー曲もたっぷりと堪能して、ここまででも十分に満足という感じだったけれども、衣装を替えての後半が凄かった。

目玉は、サプライズゲスト。

ミュージカルで共演の多い井上芳雄が、『エリザベート』公演中の福岡から駆け付ける。

今日マチネを終えてから飛行機で飛んできたという。

贅沢なゲスト。

女優でもある上白石萌音と、セリフの掛け合いも含めて、劇中歌を2曲聴かせてくれる。

息の合ったハーモニーが美しい。

MCでの掛け合いも、アドリブでどんどん話が弾んでいくのが楽しかった(タイムキーパーのスタッフさんは冷や汗かいてたかも)。

冒頭から通常のバンド編成に弦楽器奏者4名を加えた贅沢なチームだったが、終盤にはトランペットも加わり、最近の楽曲へ。

終盤はトランペットも加わり、初期の頃はオーソドックスなものが多かった彼女の楽曲の世界観に、ぐっとコンテンポラリーな色合いが重なるライブになった。

誕生日を祝う演出もあって、最初から最後まで一人で武道館の観客をがっちりと捉えて離さない、寒波も吹き飛ぶようなとっても温かいライブだった。