ミシュラン・パイロットスポーツのウェットグリップ性能

W176(A180 Blue Efficiency Sports、前期)にほとんど不満はないんだけれど、数少ない不満の中で一番気になるのは低速域でバタつく足回り。

整備された高速道路を高速域で走る時には全く不安がないので、ドイツのアウトバーンに合わせて足回りがチューニングされて最適化されているんだろうとは思う。

でも、それにしても低速で段差を乗り上げた時のゴツゴツした挙動は、「もう少しなんとかならないの」と思わないでもない。

これはW176のデビュー時からの評判の中でも、アクセルの鈍さ、室内の異音とともに、3大ネガの一つとして言われているところで、購入する前から覚悟はしていた。

スペアタイヤを積まないモデルであり、メルセデス認証タイヤはランフラットなので、特性上ある程度ゴツゴツするのは仕方ない。

新車時には純正のContinental ContiSportContact 5が装着されていたようで、これはウェットグリップに強みのあるモデル。

前オーナーはどうしてたんだろうと思い、定期点検簿を遡って見てみると、3年車検・27,000km走行の時に、このContiSportContact 5を外して、スタッドレスに付け替えている(モデル名は不明)。

そして7年車検・55,000km走行のおそらく直前に、スタッドレスからミシュランパイロットスポーツ3に付け替えている。

僕が買ったのが丸8年・60,500km走行で、そのパイロットスポーツ3を履いている状態。減りも少なく、ひび割れの気配もない。

でも、とりあえずランフラットをやめたいとか、ブリヂストンのレグノみたいなコンフォートタイプにしたらもっとソフトで静かになるかもとか、色々と考えていた。

そんな中、先日、豪雨の関越道を走るという経験をしたんだけれども、W176は水溜まりがうねるような荒れたウェットな轍でも、ブレーキングに全く不安がないようなグリップをしてくれることが分かった。

これはもちろんW176自体の基本性能の高さっていうのもあるんだろうけれども、シビアな環境の中でステアリングを握っていて「あ、このタイヤなら命を預けられな」と思える瞬間が何度もあった。

パイロットスポーツ3は、もうすでにディスコンになっているけれども、ウェットとドライの強力なグリップを売りにしているモデル。

確かに、水溜りが凸凹しながらずっと続くような関越道を磐石の安定感で走れたのは、パイロットスポーツの排水性能とグリップ力あってこそ。

ということで、もうその日を境にすっかりミシュラン信者になった。

車に何を求めるかによってタイヤ選びも変わってくると思うけれども、W176で高速移動することがメインの僕に取っては、とんがったスポーツタイヤのような高性能を求めるわけでもなく、ソフトで静かな乗り心地に全振りしたようなコンフォートモデルでもなく、まして燃費向上やタイヤ自体の長寿を求めるわけでもない。

結局、ミシュランパイロットスポーツのような、強めのグリップ力とある程度の快適性を高い次元でバランスさせたモデルが一番ニーズに合っているように思う。

そして、そういうタイヤこそが、このW176という車のスポーティな性格にも合ってるのだろう。

どんな天候であっても安心して高速移動するには、ウェットグリップ性能が一番大事。

特に、最近の日本では集中豪雨もよく起きるので、そのリスクに備えるという意味でも。

そんなわけで、タイヤの交換時期は早くでも1年先になると思うけれども、その時はやはりミシュランパイロットスポーツにしようと決めた。