夏を失った。
去年の方がまだマシだった。
閉塞感を打ち破りたくて、7年ぶりに車を買うことにした。
あのとき手離した対価は100万円。
あそこからまた始めるのだから、予算は100万円。
そう決めた。
エコの時代、やはりハイブリッドか。
アクア、フィット。その辺なら手が届く。
いやでも、そのクラスならわざわざ買うまでもなく、カーシェアでいいんじゃないか。
却下。
じゃあ、流行遅れの国産セダンはどうだろう。
安い。
SUV全盛期の今、中古車価格も暴落して、ある意味バリュー銘柄だ。
ディーラー保証も付いてる。
しかし、おっさん臭い。
自分もおっさんだが、これに乗る姿はどうしようもなくおっさんだ。
却下。
じゃあ、SUVか。
残念ながら、高さ制限のある駐車場に入らない。
却下。
となると、ワクワクする車は結局アレしかない。
輸入車。
今まで、シトロエン、オペル、フォルクスワーゲン、BMWと乗り継いで来た。
結局また輸入車へ。
カーセンサーで「100万円上限」で検索すると出るわ出るわ。
でも、シトロエンの故障地獄を思い出すと、イタリア、フランスは外さざるを得ない。
ということで、信頼性で残るドイツ。
BMW、フォルクスワーゲン、アウディ、メルセデスを候補にして検索。
「東京23区」「事故歴なし」「禁煙」「ワンオーナー」「整備簿あり」
そこで残ったAクラス。2013年、6万キロ。
実車を見にいくと、とてもきれい。
世田谷のヤナセのワンオーナーもの。
「これは買い」と心の声がする。
その場で決めた。
比較検討なし。
これでいいのか?
これでいいのだ!
中古車は一期一会なのだから。
納車は9月25日。
どこに行こう。
失ったものを取り戻す旅に出よう。
眩しい光の方へ。