断捨離(4)―カーシェアリングを使う

断捨離ということで、7年近く乗った車を先週売却した。

そして、いまは車を持たない生活をしている。

不自由なんじゃないか?と言われれば、そうでもない。

スーパーは徒歩1分。そして徒歩5分以内に駅が3つ。医者・歯医者も徒歩5分圏では選び放題。

タクシーに乗れば、巨大ターミナル駅には2千円以内。

でも、自分で運転して遠出したいときもある。

そんなときには、レンタカーを使えばいいのだけれど、最近はその進化系でカーシェアリングなるものがある。

Timesとかオリックスとか数社が運営しているが、都内であれば、数ではTimesが圧倒している。

Timesの時間貸の駐車場の一区画に小型の「わナンバー」が止まっているのがそれで、スマホのアプリを使えば、リアルタイムで空き車両が検索できる。

入会時に手数料1500円を払って会員になれば、毎月1000円の会費で、15分206円から利用できる。6時間パックだと4020円。いずれも料金にはガソリン代込み、保険料込み。

車を置いてあるステーションは全国に7000箇所、自動車は12000台。圧倒的な品揃え。

「どうせ国産の小型車しかないんでしょう」と思ったら、SUVも外車もあり。

自宅から近いステーションは徒歩2分で、そこに配備されているのはホンダのフィット。そして徒歩10分圏内まで広げれば、他の国産メーカーの様々な車種を借りることが可能。

今回、試行ということで、大型ターミナル駅の地下にあるステーションでMINI CROSSOVERを借りてみた。

9時30分貸出、15時30分返却の6時間コース。これでフィットと同じ4020円。

借方は簡単。まずはネットで予約して、駐車場で会員カードを車にかざして解錠、後は車内にあるキーを取り出して運転し、時間まで車庫に返却するというもの。

完全に無人化・自動化されている。

中に乗り込んだら、エンジンをかけて、自分用のETCカードを挿入して、お気に入りのCDをかけて出発。

MINI CROSSOVERにはこの日初めて乗ったんだけど、MINIと言えばセンターメーターを始めとして特殊な作りなんじゃないかと思いきや、スポーツモード付のATゲートやライト・ワイパーのスイッチなどを中心に主要な操作系はBMWと全く同じになっていて、初めてでも直感的に運転できた。高速での安定性は悪くない。ハンドリングとか加速はだいぶダルいけれども、ATをスポーツモードにして加速すれば、まあ高速でもなんとかなった。

カーナビは外付けのシンプルなものが付いていたけれども、これはカーシェアリングのシステムと連動しているっぽい。

車としての不満はあまりなく、ミュージックサーバーがないのでCDをいちいち入れないといけないとか、スピーカーから出てくる音がしょぼいとか、オートライトがないのでトンネルでライトをオンオフしないといけないとか、まあ細かい点だけだけど、あまり気にならないかな。

返却時にゴミを捨てるのは借りたの人の責任で、ここは次に乗る人がメールでのアンケートに答える形で評価するという制度があって、一応牽制になっていると思われる。

注意点としては、返却時するときに、カーナビのボタン一発で元の駐車場に誘導してくれるんだけど、大型の地下駐車場の場合には、入り口がわかりにくかったりするので、ナビを鵜呑みにすると迷うことがあるかもしれない。今回僕自身も迷ったし、他にも同じようなカーシェアリングの車を2台見た。

教訓としては、初めて借りる場所に帰るときには、時間の余裕をもって、ということかな。

まあ、実用としてはカーシェアリングで十分だという結論。

これで、月々の駐車場代とか保険料とか、毎年の税金とか、ガソリン代とか、2年に一度の車検代とかが浮いてくるわけなので、その金額の範囲でタクシーとかカーシェアリングを使い分ければ、たぶん自由にできるお金はぐっと増えるだろうと思う。これが断捨離の最大の効果。

1つ問題があるとすれば、いろいろな車を安価で気軽に運転できてしまうので、カーシェアリングする回数が増えそうなことくらいかな。同じステーションには通常タイプのMINIもアウディもあるので、比較してみたくなるし、別の都心のステーションにはポルシェもあったりするんだよね。まあポルシェとかは値段が倍になったりするんだけど、一度運転してみて、ネタにしたい気はする。

まあ、そういう余計な誘惑に打ち勝てるのであれば、都市部での車との付き合い形においてこれほど合理的なシステムはないかもしれない。やがては、自転車もシェアの方向に行くんだろうけど。