日本を舞台にしたB級、だがそれがいい〜『ケイト』(2021年、アメリカ、セドリック・ニコラス=トロイア監督)

Netflixで新作映画を観ることも増えてきたが、『ケイト』もそんな作品の一つ。

www.imdb.com

余命短い暗殺者が、日本のヤクザのトップを殺すミッションを命じられる。

そこで一人の少女と出会うことが彼女の運命を変えていく・・・というストーリー。

世界観としては、リュック・ベッソン監督の『ニキータ』に、タランティーノ監督の『キル・ビル』を足した感じ。

あの「バーニラ、バニラ」も登場する現代日本の都市の描写は、『ブレードランナー』のオマージュを感じさせるところもあったが、基本的にヤクザ・サムライ・日本家屋という感じで、アメリカ人の大好きな日本のイメージなんだろうと思う。

主人公のメアリー・エリザベス・ウィンステッドは女性らしさよりも強さを全面に出すジェンダーレスな演技。

ときどき聞かせてくれるカタコトの日本語もいい感じ。

そして、ちょっとギャルっぽい今時の日本の女の子を演じるミク・マーティノーがかわいい。

カナダ人ということだが、顔は結構日本っぽさがあって、今後活躍しそう。

ケイトを迎え撃つ日本側は、浅野忠信國村隼といった大御所が重厚な雰囲気を持つヤクザの幹部を演じる。そんな中で、MIYAVIの存在感というか美しさが光っていた。

肩の凝らないB級アクション映画だが、最近はこの手の悪役の設定はもっぱら中国やロシアになりがちなので、偏見たっぷりとはいえ日本にフォーカスが当たるのをうれしいと思うようになってしまった。ちょっと寂しい。

f:id:SHARP:20210920204822j:plain