月に一度のペースで行われているパクスプエラの東京での定期公演。
第一部ではNANAMIの生誕が祝われたが、第二部はそのNANAMIが体調不良で急遽欠席。
「絶対的センター」にして「ボーカルの柱」でもある阿部菜々実を欠いたパクスプエラ。
平均年齢12歳、しかも東北から遠征してきているユニットが、無事に公演を行うことができるのか。
ありきたりの言い方だが「ファンとして支えないと」という使命感で会場に入った。
カバーし合うメンバー
ステージに並ぶ4人。
最初の曲はドロシーのカバー「青い空」。
パクスプエラでは、「ゆいなっち曲」だと勝手に思っている。菜々実ちゃんの不在を感じさせないように、他のメンバーのボーカルパートが多めの曲を入れるのは理にかなっている。
リーダーのゆりぼーの顔がいつもよりも紅潮している。なぜかは分からない。だが、いつもの倍くらいのテンションで踊る姿に心を打たれる。
ゆいなっちとひなぴょんのダンスもキレを増しているように見える。
次の曲は、女子流カバーの「ヒマワリと星屑」。
本来のパクスプエラであれば、菜々実ちゃんとゆりぼーのツインボーカル的な掛け合いを聴かせるところ。だが、今日は「ゆりぼー無双」とも言えるような歌唱で乗り切っている。凄い気迫が伝わってくる。
続けて、ドロシーカバーの「シークレット」へ。
これは僕の中では「ゆりぼー曲」。
打ち込み系のダンスミュージックで、ビートに合わせてメンバーがステップを踏み、ターンを描く。美しい。そして、仄かな色香も感じさせる。
まるで最初から4人のユニットであるかのようなフォーメーションと歌割り。少しも「穴が開く」ということがない。
よく見ると、メンバー同士のアイコンタクトで確認しているのが分かる。すごいチームワーク。高度に錬成されたスポーツチームのような連携の良さ。
MCで元気いっぱいの自己紹介。ここでもやっぱりゆりぼーの気合いが凄い。
続いては、再デビュー曲の「STAR」。
坂本サトル氏による作品で、芯の強い少女達が自らの手で道を切り開くという、ドロシーで言えば「Life goes on」にも通じる楽曲。
ここは菜々実ちゃんが歌い上げるパートがあるのだが、代役を務めたのは、最年少10才のみうっぴ。見事にNANAMIパートを自分のものにして歌い上げた。
アクターズスクール広島と仙台のステップワンの両方のスクールに在籍していた経験は伊達ではない。みうっぴの実力を改めて思い知らされた。
MCで振付けのレクチャーを行った後、再デビュー曲のタイトル曲「1!2!3!」。
パクスプエラ (pax puella) / 1!2!3!MV ~short ver.~
これも坂本サトル氏による作品で、自らの手で選択する強い少女が主人公となっている楽曲。ドロシーで言えば、「ソウル17」とか「Winter Blossom~冬の桜~」を思わせるサウンド(もちろん、異論は認めます)。
最後の曲は、ドロシーのカバーで「諦めないで」。
オリジナルのドロシーが歌う時は「D!L!H!Let's Go!」のコールで盛り上がっていたが、パクスプエラが歌うときにはさすがに「D!L!H!」コールができなかった。
ずっと内心寂しい思いをしてたけれども、今日は自然発生的に「パ!ク!ス!Let's Go!」のコールが入って、最高潮に盛り上がった。僕も「これだ!」と膝をうって、「パ!ク!ス!」コールを叫んだ。
ということで、「絶対的センター」のNANAMIの急な欠席という緊急事態だったが、リーダーのゆりぼーを中心に4人体制を構築し、完成度の高いライブを見せてくれた。ゆりぼーのリーダーシップ、ボーカルとダンスのスキル、そして度胸は凄いなと思う。
また、菜々実・ゆりぼーの2トップ体制の下でいつもは控え目にも映るゆいなっちとひなぴょんだが、今日はいつも以上の気迫とキレを見せてくれた。観客の煽りなんか実に堂々としたものだった。
そして、最年少のみうっぴ。菜々実ちゃんパートを涼しい顔でカバーする姿は、改めて凄い逸材がいたもんだと驚かされた。
緊急事態ではあったけれども、そのことがかえってパクスプエラの「強さ」を浮かび上がらせる結果につながった。
坂本サトル氏の楽曲で歌われているのも、ある種こういう「強さ」と通じるものなんだろうね。
(セットリスト)
1 青い空
2 ヒマワリと星屑
3 シークレット
(MC 自己紹介)
4 STAR
(MC 振り付けレクチャー)
5 1!2!3!
6 諦めないで