2015年の東京女子流は、1月から3カ月連続で、バンドとの対バンとワンマンライブを昼夜セットで行う予定。前者を「ザ・対バン」、後者を「ザ・単ドク」としている。
バンドとの対バンでは、ステージでの見せ方・聴かせ方で刺激を受ける狙いもあるだろうし、バンドのファン層へのアピールもあるだろうし、活動の方向自体を世に示すという意図もあるだろう。
「ザ・対バン」の第一回はSuGで、何とか見たいと思ったが、僕個人の仕事の都合で、ドイツから帰還したフライトの時間では間に合わず。夜の「ザ・単ドク Vol.1」のみを観に、大きなスーツケースを転がして川崎CLUB CITTAへ足を運んだ。
開演前のCLUB CITTAのフロアには、チャラン・ポ・ランタンが流れ続ける。同じavexだが、アイドル路線を離れた雰囲気がひしひしと伝わってくる。
ホワイト＆ゴールドのゴージャスな衣裳に身を包んだメンバーが登場。リーダーのめいてぃんが今日は「ノンストップ・ライブ」を行うと宣言。
「Life Size」「Partition Love」のビートの効いたナンバーでスタート。あぁちゃんの声も高音が伸びていて、聞き惚れる。
「十字架」では、黒いマントを纏ってアダルトな雰囲気を醸し出した。
続いて「Killing me softly」「Say long goodbye」とスローなバラードへギアチェンジ。美しい5声ハーモニーを響かせた。1月6日のAKIBAカルチャ―ズ劇場の「TGS Acoustic Vol.1」では中江由梨が不在だったため、5人揃ったときのコーラスの分厚さは圧倒的なものがあった。
次は「月とサヨウナラ」。定番のチェアダンス。新井ひとみの美しく気品あるダンスは、海外でも十分に通用するだろうなどと思いながら見とれていた。こういう大人っぽいカッコイイ路線がこれからの女子流の表現の一角を占めるようになっていくのだろう。
そして「運命」から徐々にギアアップ。「Limited Addiction」から最近のハードボイルドナンバーの「existence」「pale blue nocturne」でラストは「Count 3」。この曲のダンスは言葉で形容できないくらいカッコイイ。個人的には最後のキメポーズが本当に美しいと思っている。
ノンストップで11曲を歌い切って一旦退場し、アンコールは「ヒマワリと星屑（日本後版）」と「A New Departure」。本編はただただカッコイイ女子流に圧倒されるようだったが、アンコールでは一緒にフリコピをして楽しめる曲も入ってきて観客席も大いに沸いた。
メンバーから「2月の赤坂BLITZ、3月のZEPPもノンストップ・ライブにしたいけど、みなさんついてきてくれますか？」と言うと、会場からは大きな拍手が起きた。
女子流の「アーティスト宣言」を曲解したり揶揄したりする人もいるが、見せたいステージ、進みたい方向はワンマンライブを見れば一目瞭然。
「アーティストというのは自分で宣言するものではない」とかいう短絡的なコメントも見聞きしたが、女子流は「自分はアーティストである」と言っているわけではなく、「アーティストを目指す」と言っているわけで、その志の高さはパフォーマンスの端々にしっかりと現れていた。
自分としては断固としてこのアーティスト路線を支持したい。また、そういう思い入れを別にして客観的に見ても、これほどファンキーでソウルフルなステージを見せてくれるユニットは他にはない。これからも足を運びたいと思う。
（おまけ）
終演後、ファンクラブ入会者を対象にミート・アンド・グリートがあった。参加者は全部で7名。CITTAのバックステージに招待されて、メンバーから全員サイン入りの大判生写真を受け取った。お正月ということで、コマの上に立っているポーズ。
メンバーからは「今日のライブはどうでしたか？」「どの曲が良かったですか？」と積極的な質問があった。最後に全員と握手。ドイツから駆けつけたと話したら、べーやまさんはなんとドイツ語で話しかけようとしてくれた。なんというサービス精神！ もちろん他のメンバーとも楽しく話せた。マネージャーにドイツのお土産を渡してお別れ。
女子流がアーティスト路線を進んでいく中で、こういうようにライブの感想を何らかの形で伝える機会が残るといいなとは思う。
（セットリスト）
1.Life Size
2.Partition Love
3.十字架
4.Killing me softly
5.Say long goodbye
6.月とサヨウナラ
7.運命
8.Limited Addiction
9.existence
10. pale blue nocturne
11.Count 3
（アンコール）
en1.ヒマワリと星屑
en2.A New Departure
