Peach sugar snow (pss) 2周年ワンマン@吉祥寺スターパインズカフェ

音楽が好きだ。なぜなら、音楽でしか伝えられないものがあるから―

何年かに一回、そういう気持ちを思い出させるような出来事があるのだけれど、今日行ったPeach sugar snowの2周年記念ライブは、まさにそういう気持ちを強く思い出させてくれた。

Pss

新しいOvertureから「Pssのテーマ」で登場したPssの3人のメンバー。ももか、あん、あいなは「Xmas☆silent」の白の衣装に身を包んでいる。

冒頭、「Xmas☆silent」のREMIXを歌う。かすかな緊張が感じられるが、ステージの上の3人は実に堂々として見える。

MCで「私達の曲をいいといってくれたり、DJで使ってくれている掟ポルシェさんが来ています。掟さんありがとうごっざいまーす!」

ここからシングルのタイトル曲メドレー。「ひとときでも」「じゅもん」「人魚~泡になって消えても~」「Xmas☆silent」を。「じゅもん」のサビでは、おなじみのコールも起きたが、それ以外では、観客はじっと聞き入っている様子。それを気にする人もいない。こういう現場の雰囲気、好きだ。

ここで小林清美先生が登場し、あんちゃんの誕生日をお祝い。

続いてカップリングメドレー。「だいじょうぶ」「シンデレラにはまだなれない~硝子の靴~」から「Powder Snow」そして、「Xmas☆silent(ラップversion)」を。

MCで今後のスケジュールの告知があり、いよいよクライマックスへ。アニソンカヴァーを中心に盛り上げる。「ラムのラブソング」から「ごめんね」そして「Eternal Braze」で。最後は会場からも手拍子や「オイオイ」が起こって熱くなった。

Fuji△Passion

山梨あいどるフェスティバルで吉田豪さんが「異常なパッション」と形容したFuji△Passionは、今日は新曲「パッションで行こう!」を披露。これ、かなり熱い曲なので早く音源が欲しいし、ステージをまた観たい。

RELISH(魔女っ子見習い生)

ほうきに跨って登場したRELISHのしおんとゆつき。今日は「光のシャワー~切ない片想い~」をパフォーマンス。アニソンとアイドルソングのいいとこどりのようないい曲。物販ではCDが売り切れとなった。

Classic Fairly

真っ赤なドレスに真っ赤なコートのClassic Fairly。エルガーの名曲「愛の挨拶」をベースにした「愛の挨拶~白雪のように」を聞かせてくれた。間奏でコートを脱ぎ捨てる振付けがかっこいい。

Pss(再登場)

Pssのテーマ」を歌いながらPssが再登場。腰に赤いリボンを巻いた新しい衣裳。そして、小林清美先生もステージへ。先生はPssの「Xmas☆silent」の衣装。

MCでは、清美先生の着ている衣装は、Pssのメンバーが着る予定だったものだと明らかにされた。Pssにはサイズが小さくて買い直したそうで、清美先生どんだけ華奢なんだろう。同じMCで、Pssの新衣装のリボンが、ピアノの鍵盤のカバーだと説明された。ダンスでスカートが上がってしまうのを防ぐ役割を果たしているらしい。

そして、清美先生からPssへ2周年のプレゼントはなんと新曲。「難しい答はいらない」という曲で、今日は先生が歌って聞かせる。これはなかなか深い曲。

続いて、あいなも曲を作ってきたということで、ピアノに座って弾き語り。「届くように」と題された曲は、音楽で相手に気持ちを伝えようとする曲で、あいなのピアノもボーカルも、Pssとはまた違った世界のもので、僕はもうひたすらその才能に驚嘆するしかなかった。

会場も咳払い一つないくらい静まりかえっていて、最後の一音まで曲を聴き届けると、爆発するような拍手が起こった。そこで、僕はそっと涙をぬぐった。

今度は清美先生がピアノの前に座り、譜面(コード譜かも)を見ながら伴奏しつつ、あいなのボーカルの3度上でハーモニーをかぶせる。この師弟コンビのパフォーマンスを見ながら、僕はまた泣いていた。K&M恐るべし。小林清美恐るべし。そしてPssあいな恐るべし。

言葉にできない音楽の力を目の当りにしていたが、ここでPssの新曲ということで「君にスマイルマイル」の歌詞違い「世界の終り。エンド」を初披露。歌詞違いだが、こちらの方が先にできた曲であるかのように言われていた。

ももかが曲紹介のときに「世界には戦争とかPM2.5とかいろいろな問題がありますけど、私達は歌の力で世界を平和にしたい」と力強く言っていた姿、かっこよかったな。


フィナーレ

最後はK&Mアーティストと小林清美先生がステージに勢揃いし、「君にスマイルマイル」を大合唱。アイドルソングっぽいこの曲で明るく締めくくったが、それでよかったと思う。

Pssが今後どういうアーティストになっていくのか、その伸びしろはきっと想像以上なんだろうなと思わずにはいられなかった。小林清美先生は彼女達をどこまで導いていくんだろう。そして、彼女達はどこまで成長していくんだろう。本当に楽しみだし、これからもPssの活躍を間近で見届けて行きたいと思う。

終了後の物販では、タワレコ社長の峯脇社長や、吉田豪さんや、掟ポルシェさんと一緒になった(南波一海さんは一足先に帰られたようだった)。他にも音楽好きで有名な方々が集まっている現場で、Pssというユニットの節目になるライブだったが、多くの人の期待に応える2周年ライブだったのではないかと思う。

こういう凄い現場を見たときには言葉の無力さを改めて感じるし、絞り出しても月並みな言葉しか出てこないが、Pss最高、小林清美先生最強、とため息をつきそうながらしばらくの間、余韻を味わっていた。