君の存在気付かされてーPeach sugar snow「旅立ちライブ」@吉祥寺スターパインズカフェ

めぐるめぐる世界まわって
君の存在 気付かされて
どこででも
地球の裏側にまわって
君の名前叫んでみた
どこにでも 届いて欲しいな
(an「君の裏側〜君のいない世界」)

吉祥寺スターパインズカフェで開かれたPeach sugar snow「新Pssへの旅立ちライブ」を観に行った。


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anちゃんが学業に専念するため卒業、momokaちゃんがソロへ移行ということで、3人揃ってのPeach sugar snowは今日がラストライブ。新しいPssは、ainaちゃんが一人で担っていくこととなる。

予約来場者にはメンバー直筆のカードが配られた。


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「旅立ち」と銘打たれたライブだが、いつものように「Pssのテーマ」でステージに現れた3人の表情はいつもと変わらずに明るく、何かを気負ったような感じもないように見える。特に、今日で卒業するanちゃんの表情は一点の曇りもなく、晴れ晴れとしている。

最初の曲は「世界の終わりEND」。「オイ!オイ!」というファンからの声援に、会場は明るい雰囲気に包まれた。そこからノンストップで「だいじょうぶ」「シンデレラにはまだなれない〜硝子の靴」を。

ここまで歌ってMC。メンバーから、会場に来ている掟ポルシェさん、嶺脇社長、南波一海さん、吉田豪さん、小林司さんへのお礼の言葉が述べられた

MC明けは3曲連続で。「 Xmas☆silent」「パウダースノー」「Xmas☆silent(ラップver)」を聴きながら、去年のタワレコでのリリイベのことを思い出す。大勢の人がpssを見に来ていて、名古屋にも大阪にも、ファンの裾野が拡大していって…。

あの頃は、そのうちTパレットへ移籍するんじゃないかとか、今後はタワレコのあちこちの店舗でイベントするんじゃないかとか、そんなことを夢見ていたなんてことを思い出しながら、終わり行く冬に想いを馳せた。

勝手に感傷に浸っていると、ここでまさかのショートコント。

去年TIFに出演したよね、というmomokaちゃんのフリから「TIFって何の頭文字?」っていうお題。「トイレットペーパーが•いっぱい•降ってきた!」とか、K&Mミュージックのいつもの楽しいクオリティ。3人のメンバーの息の合った掛け合いが、会場を和ませた。

そこからコミカルな「ラムのラブソング」。この曲はアニソンカバーだけれども、pssの曲が内省的なものが多いのに対して、とことん外向きで、間奏で客席にアピールするような楽しいところもある。こんな時間がもっともっと続いて欲しいと思わされる。

「ごめんね」を挟み、アニソンカバーの「Eternal Blaze」へ。孤高な境地を歌った名曲だが、オリジナルの水樹奈々の歌唱とはまた別のpssなりの解釈で完成された世界を見せてくれる。

そして、pssをブレイクさせた「じゅもん」へ。「Eternal Blaze」からの勢いもあり、会場からは大声で「じゅーもーん!」のコールが起こる。僕の声も枯れそうだ。

そこからノンストップREMIXで「人魚〜泡になって消えても」へ。悲しい物語の中に凄みを感じさせる楽曲。3人の美しいフォーメーションダンスも見納めかと思い、まばたきするのも惜しんで、目に焼き付ける。途中、残念ながら音飛びが発生したが、動揺を見せず、アイコンタクトでスムーズにポジションを調整して、パフォーマンスを続行した3人の姿には頼もしいものがあった。

そして、メンバーからの挨拶。ainaちゃん、momokaちゃんがすらすらとお礼と今後の抱負を述べて、いよいよanちゃんの番。

明るく笑いながら、「言いたいことを書いてきた」というanちゃんは、巻物を広げて読み上げる。先生やメンバーへのお礼、ファンへの感謝の気持ち、中学生になって学校生活を頑張りたいということ…。

読み上げているうちに、明るかった笑顔が消え、涙腺が崩壊したようになきじゃくるanちゃん。隣に立って巻物を支えているmomokaちゃんの目からも大粒の涙が次々にこぼれ落ちていく。

ここで僕も気付く。誰も吹っ切れてなんかなくて、ただ想いを秘めていただけだということに。。。

だが、今日はラストライブ。メンバーはファンを楽しませないといけないし、ファンはメンバーを明るく送り出さないといけない。でも、涙が止まらないよ。

挨拶が終わると、momokaちゃんとanちゃんによるダンス「あったかいんだからぁ」。これで会場の雰囲気は再び温かくなった。

そして、anちゃんのソロ。「君の裏側〜君のいない世界」。伸びやかなボーカルに含まれた一抹の寂しさのようなものを感じながら聴いていた。ただの僕の思い過ごしかもしれないけれど。

続いて、一人pssに残るainaちゃんがピアノの前に座り、「流れゆく雲を見つめて」を弾き語り。卒業式で、在校生が歌う曲だということだけど、絶妙にルバートで揺らぐピアノに乗せて、ウィスパーでない歌声で想いを伝えるainaちゃんの姿に、僕は心を打たれていた。

小林清美先生がステージに現れ、 anちゃんへのファンからのメッセージが書かれた横断幕を紹介。


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続いて、清美先生が3人へ贈る歌を即興でピアノで弾き語り。立場を超えて「やめないでほしい」「3人のPssをもっと続けていきたかった」という激しい心情の吐露を織り交ぜながらも、それぞれの行き先を祝福する歌声を聞かせた。ピアノ弾き語りで想いを伝え合うK&Mミュージック、凄いよ、本当に。

ステージはここで終わりだが、会場からのアンコールで、PssのTシャツとデニムのショートパンツに着替えたメンバーが再びステージに現れ、デビュー曲「ひとときでも」を歌う。

Pssがデビューした当時の姿に想いを馳せ、3人の残した偉大な足跡を改めて振り返りつつ、きっとこの2年間でメンバー3人は大きく成長したのだろうと思う。


3人のPssのラストライブは、持ち曲を全部投入したセトリだったし、コントや弾き語りやダンスなど、見たいもの聴きたいものを欠かさず全部見せて聴かせてくれた。

ファンとしてはPssのメンバーには感謝の気持ちしかない。そして、今日のライブにも100%満足している。

でも、どこかに彼女達の存在を求めてしまうのは、Peach sugar snowというユニットが奇跡のような存在だったからなんだろうと思う。

世界をめぐって、地球の裏側に行っても、その奇跡が僕の心を捉えて離さない。Pssとはそういうグループだったんだ。

(セットリスト)

1 pssのテーマ
2 世界の終わりEND
3 だいじょうぶ
4 シンデレラにはまだなれない〜硝子の靴
5 Xmas☆silent
6 パウダースノー
7 Xmas☆silent(ラップver)
8 ラムのラブソング
9 ごめんね
10 Eternal Blaze
11じゅもん
12人魚〜泡になって消えても
13 あったかいんだからぁ(ダンスMIX、ももか&あん)
14 君の裏側〜君のいない世界(あん)
15 流れゆく雲を見つめて(あいなピアノ弾き語り)
16 清美先生より3人へ贈る歌(即興、ピアノ弾き語り)
(アンコール)
en ひとときでも