ここで止まれないードロシー5周年ワンマン@Zeppブルーシアター六本木

ここで止まれない そう戻らない
ねぇ I just move on ついてきて
ドロシーリトルハッピー「just move on」、作詞・白戸佳奈)

3月15日、ドロシーは、5周年ワンマンライブをZeppルーシアター六本木で行った。


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この会場は全席指定のホールで、キャパは900。今のドロシーにはやや小さめのハコとあって、チケットは早々にソールドアウトとなった。

この日のライブは、チケットが取れなかったファンを含めた全世界のドロシーファンに届けられるため、ニコニコ生放送で中継された。その視聴者数は30,000人。

「ドロシーのライブを見たい」と能動的にニコ生を視聴した人が30,000人いたわけで、これの人数をもって、ドロシーのライブの評判や期待の高さは証明されているようなものだ。

ライブはいきなりキラーチューンの「デモサヨナラ」で幕を開けた。場内総立ちで、オレモー!祭り。銀テープも飛び出し、最初からクライマックス。

続く「諦めないで」では、「D!L!H!」コールが場内に響き渡る。凄いセトリ。

そして「colorful life」のギターのイントロが流れると、場内からは地響きのような歓声が上がる。息を持つかせぬ展開。そして「GET YOU」につながるというまるでツアーの終盤のような神がかった展開。callmeで自信をつけた富永美杜、秋元瑠海、早坂香美の歌声が一層力強く感じられる。まだ4曲目なのに、充満したガソリンに火がついたような爆発力。

続いて「ASIAN STONE」で「聴かせるドロシー」の世界へ。最新のバラード「それは小さな空だった」では、髙橋麻里のボーカルの表現力や、他のメンバーのコーラスワークに一段と磨きがかかり、ホールの雰囲気を一気にシリアスなものへと変えた。

「STARTING OVER」「風よはやく」というバラード系の曲で、ドロシーの世界観をしっかりと聴かせてMCへ。

リーダーの白戸佳奈が「5年間の間にはうれしいこと、楽しいことがたくさんありましたが、つらいこともありました。そんなときにこの曲に出会いました」という紹介に続いて「Life goes on」。「消えてしまった星の分まで 私たちは生きていく」という歌うこの曲は、今日のライブのヤマである。会場の盛り上がりも最高潮に達していた。

そして、「winter blossom~冬の桜~」「sky traveler」「set yourself free」の爽やかなナンバーを。勢いで押すばかりでもない、悲しみを歌うばかりでもない。澄み切った心持ちをもってしっかりと強く生きていく。そんなドロシーらしさ溢れるナンバーの波状攻撃。このセトリを考えたのは佳奈ちゃんだろうけど、もう参りましたというしかない見事さ。

ここで5年間を振り返るMC。楽屋で話していたあの話を、ということで他のメンバーに促される形で秋元瑠海が語り始める。

初期のドロシーのイベントで、麻里ちゃんが「またドロシーに会いに来てください」と言ったのを、るーちゃんが「ドロシーはライブを見せているんだから、会いに来てくださいじゃなくて、ライブに来てくださいじゃないの?」と言ったというエピソード。

これは、いかにも真面目なるうちゃんらしいエピソードだし、そういう細かいところもあいまいにしないで話してきたからこそ、今のドロシーの一体感があるんだと思わされるいい話。

その後、るーちゃんがレッスン中にズボンに穴が空いた話も暴露されていてけど、ここまで来たからこそ笑い話にできるってことだよね。

ホールが明るくなったところで、ここから再びアゲ曲。「ウリャ!オイ!」の入る「HAPPY DAYS!」、タオル回しのある「飛び出せ!サマータイム」、そして、2014年のアイドル楽曲大賞にして最強のライブチューン「恋は走りだした」。足がガクガクになるくらい飛んだり跳ねたりして、こんなに楽しいライブはない。

連続で「Breaking through」「ストーリー」そして、佳奈ちゃん作詞の「シークレット」と大人っぽいドロシーを見せる。

ステージに現れたときには、白と青の清楚な衣装だったのだが照明の効果で、今は黒と金のゴージャスでリッチな雰囲気に見える。ドロシーの音楽の多様性に合わせて、衣装替えをせずに、照明だけで雰囲気の切り替えを演出するのは凄い。


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ライブの人気曲「ジャンプ!」で会場の900人が一斉にジャンプし、Zeppルーシアター六本木を揺らした後、佳奈ちゃんが最後の挨拶。

「ドロシーには上の人(事務所の先輩)がいないので、ここまで自分たちでやってきました。悩んだこともあったけれども、いまは間違いがなかったと思えます。(会場から拍手) でも、ドロシーはここで止まるつもりはありません。これからも先に進んでいきます。ついてきてくれますか?」というMCの後、新曲の「just move on」を。

会場の900人はもちろん、ニコ生を見ている30,000人も「オレモー!」に止まらないドロシーを見た。いや、見せつけられたのかもしれない。だが、佳奈ちゃんの作詞で「ここで止まれない そう戻らない ねぇ I just move on ついてきて」と歌われたら、僕たちはついていくしかないではないか。

メンバーが退場するが、拍手が鳴り止まず
アンコールが発動する。

ステージに現れたメンバーが感謝の言葉を述べて「14回目のありがとう」を歌う。大きく手を振るメンバー、振り返すファン。最高の空間がここに出現していると感じる。

そして本当の最後の曲は「未来へ」。そう、5周年は終わりではない。未来へと続く通過点。

4月にはベストアルバムがリリースされる。5月にはアニメ番組とタイアップした新曲も発売される。そして、全国ツアーが始まる。7月には中野サンプラザでファイナルがある。30,000人のニコ生の視聴者の動員次第では、今年はドロシーにとって飛躍の年になるだろう。いや、そうならなくてはならない。こんなに完成度の高いライブを見せられるアーティストは他になかなかいないのだから。

「○○最高!」というのは、最上級の褒め言葉のようでいて、時に何も言っていないに等しい。だが、今日のドロシーのライブは、同時代のユニットの中でも飛び抜けたエンタメであったし、過去のドロシーのライブの中でも出色の出来だった。ということで、あえて言う。「ドロシー最高!」

広いステージを一杯に使って、ボーカルとダンスで独自の世界観を示すドロシーは、強くて美しいアーティスト。彼女たちには大きいホールが似合うと改めて思わされた。7月の中野サンプラザの次は日比谷野音や、渋谷公会堂、そして、武道館へと進んでいって欲しいとファンとして強く願う。

最後にもう一回。ドロシー最高!


(セットリスト)

01.デモサヨナラ
02.諦めないで
03.colorful life
04.GET YOU
05.ASIAN STONE
06.それは小さな空だった
07.STARTING OVER
08.風よはやく
09.Life goes on
10.winter blossom~冬の桜~
11.sky traveler
12.set yourself free
13.HAPPY DAYS!
14.飛び出せ!サマータイム
15.恋は走りだした
16.Breaking through
17.ストーリー
18.シークレット
19.ジャンプ!
20.just move on
En1.14回目のありがとう
En2.未来へ