ただのB級ホラー〜『エルム街の悪夢』(リメイク版)

リメイクされた『エルム街の悪夢(2010年)』を観た。以下、ネタバレ。

CGが綺麗な分、映像に奥行きがなくなり、全体的に浅い。また、脚本や演出もなんだか説明的で、理不尽なものに対する恐怖みたいなものは少ない。特に、終盤に向けて謎解きが進めば進むほど、フレディが被害者達を襲う理由が明確になってしまうので、展開が読めてしまう。

「バスタブの中で居眠りしているヒロインのところにフレディが姿を見せる」という有名なシーンもなんだか消化不良気味。もっと盛り上げてほしい。あれなら、デビルマン(原作コミック)のゲルマーの方がよっぽど怖い。

ラストも、はっきりと書くことは避けるが、これまた「ホラー映画のお約束」の一つ。なので、サプライズはない。というか笑ってしまう。そういう意味では典型的な「B級ホラー」になっている。

四半世紀の間の技術の進歩が、必ずしも映画の質を上げるわけではないと思わされた。言い換えれば、「古典的名作」のリメイクというのはなかなか難しい。残念ながら。