全てのエヴァンゲリオンにさよなら〜『シン・ エヴァンゲリオン劇場版』(ネタバレなし感想)

さらば、全てのエヴァンゲリオン

初日最速で新宿TOHOシネマに『シン・ エヴァンゲリオン劇場版』を観に行った。

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緊急事態宣言の影響で、平日が初日というイレギュラーなスケジュールだったが、大盛況。

祭りだから当然と言えば当然。

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僕は7時スタートでMX4Dを選択。3100円也。まあご祝儀ですよ。

ネタバレを避けつつ、感想を記しておく。

TV版、旧劇、新劇の全ての要素、全てのオマージュを織り込んでいて、エヴァの“呪い”から多くの人を解き放つ集大成とも言える位置付け。

簡単に言えば「綺麗に終わっている」作品。

庵野監督のエヴァにしては珍しく(初めて)、視聴者(ファン)に悪態も付かず、期待したものを満たしながら、伏線もそこそこ回収してきっちりと風呂敷を畳んでいる(キリスト教系の一部の宗教用語を除いて)。

1995年のテレビアニメ放映以来、四半世紀に及ぶ父と子の相剋の物語は、庵野が一世代歳を重ねたからこそ“止揚”の領域に達することができたのだろう。

逆に言えば、「アダルトチルドレン」と称される大人になれない傷を負った子供の視点でエヴァを作り始めた庵野が、反発していた権威や父性といった存在になってしまった。つまり、シンジだった庵野がゲンドウの側に立たざるを得ないようになってしまった。

宮崎駿の『風立ちぬ』をある意味で自伝的で自己肯定的作品だと僕は思っているけれども、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』はそれに匹敵するくらいに庵野の自伝的作品であり、挫折と自己否定の末にようやくつかんだ自己肯定の作品だと言えるだろう。

安野モヨコと言うよきパートナーを得て、よき時間を重ねたことがプラスに影響したであろうことは想像に難くない。

庵野監督、長きにわたってお疲れさまでした。

これで僕もようやく解放されます。長年の呪縛から。

そうそう、MX4Dでエヴァを観る意味はあった。これバトルシーンのシンクロ率200%って感じ。

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