iPadは勝者になるか?

AmazonのKindleに対抗してAppleiPadを発表した。iPadの魅力は大型のカラータッチパネルなんだと思う。が、ボディの携帯性の悪さ、バッテリーの持続時間という不安に加えて、書籍コンテンツ共有がどこまでできるのか全く未知数だという点で、Kindleの優位は揺らがないと思われる。

だが、Kindleが勝つか、iPadが勝つかというのは実はそれほど重要ではない。iPadの本質的な意義というのは、AmazonだけでなくAppleが電子ブック市場へ参入したことに見出せる。そのことで書籍の電子化は加速され、電子ブックの市場は一気に拡大するだろう。その意味では、AmazonもAppleも勝者になり得る。その場合、敗者は出版社であり、取次であり、書店ということになるのだろう。

米アップル、「iPad」でアマゾンと真っ向勝負

インターネット販売大手の米アマゾン・ドット・コムの株価が、ここ数日間で持ち直している。このことから判断して、ウォール街はアップルのタブレット型端末「iPad(アイパッド)」がもたらす脅威をそれほど重視していないようだ。だが、市場参加者にとって、この物語の次のページをめくるのは、まだ早すぎるかもしれない。

確かに、アイパッドがアマゾンの電子書籍端末「Kindleキンドル)」の売上高に与える影響はわずかとみられる。米投資銀行ジェフリーズのアナリスト、ユセフ・スカリ氏は、今年のアマゾンの売上高成長率を36%と予測しているが、そのうちアイパッドが侵食する割合は2〜3ポイント程度と見込んでいる。
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