マイケル・ジャクソン亡くなる

マイケル・ジャクソンが亡くなった。心臓発作だという。
あれだけサイボーグ化しているように見えて、体のコアはどうしようもなく人間的だったということだ。

「スリラー」のプロモーション・ビデオのように、墓からゾンビとして蘇生するなんていうことは現実には起きないだろう。そんなことはもちろん分かっている。でも、どうしてもあの作品が頭から離れない。80年代のMTV文化の最先端。打ち込みのビートに合わせて、キレのあるダンスを見せつけ、そして歌う。あの人もまた別のあの人も、その点ではマイケルのフォロワーにしか見えなかった。『踊るマハラジャ』も、この先行者のPVなくしてはブレイクしなかったろう。そういう意味ではボリウッド映画の礎を作ったといえなくもない。

近年は新しい音楽を生み出すことはほとんど行わず、よく分からない報道で見ることばかりになってちょっと残念だったが、それでもある種の神秘性を保っていたのはさすがだと。大きなツアーを準備していたところだということだが、今回の早すぎる逝去も伝説に花を添えるだろう。謹んで冥福を祈る。

どこかでひょっこりと現れて。PVのラストのように、"What's the problem? C'mon, I'll take you home."と囁いてくれないかな。