『夜は短し歩けよ乙女』

森見登見彦の評判作『夜は短し歩けよ乙女』を読んだ。「夜は短し歩けよ乙女」「深海魚たち」「ご都合主義者かく語りき」「魔風邪恋風邪」から成る連作。

夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女

まず、ヒロインの黒髪の乙女が良い。好奇心旺盛でマイペース。そして得意技が「おともだちパンチ」。そして、そのヒロインに思いを寄せる主人公が、京大に通う偏屈で妄想癖のある大学生。DT系。というか、平均的な男子大学生というものはこうなんじゃないか。少なくても自分はそうだったなあと。

ストーリーは全体的にいかにもベタなラブコメなんだけれども、この主人公の妄想爆発の世界観がこの作品を傑作にしている。そして、京都はいい。酒場にしても、古本市にしても、嫌味なく絵になる。

コミックとしても展開してしまうところがカドカワ。

夜は短し歩けよ乙女 第1集 (角川コミックス・エース 162-2)

夜は短し歩けよ乙女 第1集 (角川コミックス・エース 162-2)