カフカ的悪夢

ハガキが届いた。運転免許の更新時期を案内するものだ。数日間放っておいたが、手続きを忘れると面倒なことになるので、運転免許センターまで足を運んだ。

まず書類を書く。最初の受付で年配の女性にハガキと書類と免許証を見せると、内容をチェックし、次の窓口に進むように言われる。次の窓口で印紙代を払う。また、年配の女性。そして、なにやら暗証番号を登録してくださいと言われる。全部で8ケタ。どうやら最近になってできたらしい。

それが終わって、視力検査のところに進む。ここも年配の女性。コンタクトレンズをしていると言って、視力検査。あっけないくらい簡単に終わる。

次に写真撮影の受付。初めて年配の男性に当たる。数分待たされた後、名前を呼ばれる。

「シャープさん、本日は免許の更新はできません」
「え、そうなんですか」
「すみません、こちらも見落としてたのですが、お誕生日の一ヶ月前からですから、今日はまだなんです」
「いや、ハガキが届いたので来たのですけどね」
「ほら、ここに書いてあるでしょう、××日からだと」
「ああ、そうですか。次回はどこに来ればいいですか」
「この窓口に直接来てください」

どっと疲れる。

そして週が明けた初日。

「すみません、前回ここまで手続きしたのですが、出直してきました」
受付は前回とは異なる年配の男性。
「ああ、そうですか。ちょっとお待ち下さい」
「はい」
「じゃあ、あちらに座って待っててください」
「はあ」
「はい、じゃあ、写真撮ってください」
「どこでですか」
「あの6番のところです」
今度は中年の女性の人に写真を撮られる。
「じゃあ、これを持って、2階に降りてください」

2階に降りる。講習の受付があるので書類を出そうとするが、受け取ってもらえず。
「上の階でここに来るように言われたのですか」
「はい」
「そうですか。それは困りました」
「どうしてですか」
「ちょっと待ってください。電話しますので」

電話ではここに案内したのはあなたかというようなやりとりをしている。

「シャープさん、すみませんが、上の階に戻ってください」
「はあ」
「今日の講習はもう終わっていますので、今日は更新はできません」
「そうなんですか」
「とにかく上に戻って、5番の窓口で話を聞いて下さい」
「はい、分かりました」

やれやれ。

「はい、シャープさん、今日は講習の時間が終わっていますので、次回この紙の時間を選んでまた来てください」
「こんな紙があったのですか。先週も来たのに知りませんでした」
「午後3時が最終です」

そんなわけで、免許センターに二度も足を運んだのだが、いまだに僕の免許は更新されていない。いつ更新されるのかも分からない。犬のようだ。というか、免許更新のハガキはよく読んだ方がいい。