人間とロボットの境界〜『PLUTO(6)』

待ちに待った『PLUTO』の第6巻。少しペース上がったか。

PLUTO 6 (ビッグコミックス)

PLUTO 6 (ビッグコミックス)


PLUTO 06―鉄腕アトム「地上最大のロボット」より (ビッグコミックススペシャル)

PLUTO 06―鉄腕アトム「地上最大のロボット」より (ビッグコミックススペシャル)

(以下ネタバレを含む)

ゲジヒトはついに「プルートゥ」の正体を見つけ出す。彼の卓越した頭脳と強靭な身体、そして「勘」が決め手となる。いよいよプルートゥを追い詰めるゲジヒト。

捜査の過程で、ゲジヒト自身が「人間とロボットの境界」を彷徨い始める。ロボットは感情を持つのか。過ちを犯すのか。単なる命令を超越し、「倫理観」に基づき善悪の判断をするべきなのか。

だが、こうしたすべては「迷い」であり「弱さ」でもある。ロボットが迷い、同時に弱さを抱え込むとき、それは人間と区別がつくのだろうか。体の大半を機械に置き換えたアブラーと比べると、ゲジヒトの方が人間臭いようにも見える。そして、人間に近づいたゲジヒトは、もやは完全無欠のロボットではなく、それゆえに「死」に至ってしまうのだ。

いよいよ核心に近づいたところでこの巻は終わり。最終ページで新たな登場人物が出ることはない。すなわち役者はこれで揃ったということ。巻末の告知では次巻でエプシロンに死亡フラグが…。というか、原作を読めばエプシロンの運命は分かってしまうわけだが。