いまさらながら、『キルビル』の元ネタとなった『修羅雪姫』を観た。梶芽衣子主演によるオリジナル版。
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2004/03/26
- メディア: DVD
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感想としては、梶芽衣子凄い、着物美しい、そして血飛沫飛びすぎ。映画の手法としては、劇画の挿入(アニメでもまんがでなくあくまで「劇画」)、BGMにおけるジャズの活用、そして内面の独白による対話など、前衛的で実験的な手法がこれでもかというくらいに使われていた。内面の独白による対話は、まさにクライマックスの決闘シーンで用いられていて、ガンダムのアムロとララァとシャアの交流を彷彿とさせた。思わず「ニュータイプかよ」と突っ込みたくなった。
また、1973年の作品ということで、70年安保闘争当時の反体制的な空気に満ちていて、父と息子の対立という隠れモチーフもあった。この「父」なる存在が、実に権威的であり、欺瞞に満ちていて、他人を利用することしか考えていないというもの。そしてヒゲにサングラス。その姿は、まさにエヴァの碇ゲンドウだった。
ひとりタランティーノだけがこの映画にインスパイアされたわけではないし、『キルビル』によって「再発見」されたわけでもない。『修羅雪姫』という成果は、日本を代表するようなアニメ作品群の中に既に取り入れられているのだと気付いた。