ガンダムサーガは閉じられた〜ZガンダムIII-星の鼓動は愛

20年の歳月を経てリメイクされた劇場版Zガンダムの三部作が完結した。

(以下、映画に関するネタバレを含みます)

「誰も知らないラスト…」の中身だが、カミーユは戦闘の中で精神崩壊もせず、事実上のボスキャラとなったシロッコのジ・OをZガンダムで撃破して、無事に生還。帰りを待っていたファと抱き合ってハッピーエンド、と、まるで別のお話のようになっていた。これが「新訳」ということの意味だ。

1985年に放送されたTV版のZガンダムは、バブルに浮かれていた80年代後半において、90年代の陰鬱とした世界をいち早く予見していた感がある。それに対して、今回の映画版は、既に現実のものとなった陰鬱な世界に、多少の希望を与えようという富野監督の意思が感じられるようだった。

そして今回のエンディングは、ZZにはつながらない。だから、ガンダムのサーガの円環はこれで閉じたのだと思う。個人的には「逆襲のシャア」もリメイクしてほしいけれど、あれはあれで最初から劇場版サイズなので「リメイク=原作の全否定」となりかねないので難しいのだろうな。