フォウよりサラを何とかして欲しい〜ZガンダムII-恋人たち

フォウの声優変更が話題となった(2005-08-31 - Sharpのアンシャープ日記を参照)「ZガンダムII」を観に行った。結論としては、フォウの出番は少なく、声の違いも思ったほどは気にならなかった(というか、あっけなく退場してしまった、という方が実感に近い)。

むしろサラの方が問題で、舌足らずでセリフもたどたどしく、しかもそれがサラのキャラクターに合っているかどうかははなはだ疑問だった。なぜ池脇千鶴が選ばれたのか理解に苦しむ。

今回の展開を観るに、三部作のラストは、フォウではなくサラが鍵を握る展開になると予想されるので、池脇千鶴には、次作までに声優としての力量を付けてほしいと思うのだが、富野総監督によれば、この不安定さは狙い通りらしい。

他はまあ無難な出来か。新作と旧作のつなぎ目は相変わらず大きなギャップがあり、カミーユとフォウの別れの場面など、新作の作画でシーンが盛り上がったところで突然旧作の作画に戻ってしまい、その瞬間に人相が全く変わってしまっていて、全くなんとも興醒めだった。たとえ名場面といわれるようなシーンであっても、作品のクオリティのために臆せず描き直してほしいと思った。

新作の画像についていえば、モビルスーツや戦艦などのメカはとても精悍になっているが、女性キャラもまた体のラインが妙にエロくなっていると感じた。たとえば、ベルトーチカとかレコアとか、かなりお色気過剰。まあ、SEEDのラミアスの乳揺れほど露骨ではないものの、女性らしさを相当強調した作画になっていたと思う。

劇中のモビルスーツの中では、映画2作目中盤にして満を持して登場したZガンダムよりも、メガ・バズーカ・ランチャーを構える百式の方がずっとかっこいい! さすがシャア、いやクワトロ様!と思っていたが、最後の最後でハマン・カーンが登場してきたときに載っていたガザCに目を見張った。あんな専用色*1は、確かTV版では無かったと思う。映画的に美味しいところを最後にさらっていったという感じだった。

TV版では重要と思われた場面がカットされていたりして、映画版オリジナルのラストシーンに向けて着々と展開中という感じ。サラの不安定さがどう生きてくるのか、フォウのあっさりとした退場がどう影響するのか、微妙に前向きになったカミーユがどういう行動に出るのかなど、主要人物が何をしてくれるのかを含めて、次回作『ZガンダムIII〜星の鼓動は愛』の公開が楽しみ。公開は、来年3月4日の予定。

機動戦士Zガンダム

*1:白+パープルというキュベレイのような色の組み合わせ