アイドル オブ ジャパン@東京スカイツリー

スカイツリー3周年記念イベントの「アイドル オブ ジャパン」が6月6日、7日に開催された。

アイドルネッサンスが出演するということで観に行った。

あからさまに優先パス購入を煽る客席の区切り、一見客の立ち止まりにくい動線、魅力の乏しいオリジナルグッズ、小さすぎる音響など…ライブという機会を重視するアイドルやファンのニーズには応えがたい面が目立った。

直前に発表された「3000円の優先エリア」の存在は、本来ならば、観光客や家族連れに対してオープンにアピールする「スカイツリーの野外ステージ」という機会をほぼ完全に無効化し、たまにある「ヲタから搾取する系」のアイドルフェス現場を現出させる結果となったように見えた。

某アイドルの仕掛け人である博報堂DYの某氏が「これからのビジネスは、1000円を10万人より10万円を1000人に」って語っていて、まあそういうビジネスもあってもいいけど、まさか休日のスカイツリーのオープンスペースで「10万円を1000人に」の商売をやるとは。

「アイドル オブ ジャパン」は「10万円を1000人」的な商売を狙っていたけど、ヲタの財布を十分に開かせたのだろうか。もちろん3000円出して優先スペースを埋めに行った熱いヲタもいたけど、無銭で短時間のライブ見て、物販で運営にお金を落としたヲタも多かった。僕も含めて。

「3周年にちなんで、3(サン)の付くアイドルを3組」集めたけど、わざわざ呼んだ割にはゆるキャラへの質問コーナーの時間が長くて、ライブの持ち時間は10分。アイドルネッサンスは「YOU」「17才」の2曲しか披露できず。もったいないという感想しかない。もしゆるキャラにフォーカス当てたいなら呼ぶべきアイドルは他にいる。ゆっふぃーとか。

市場や商品や購買者のことをろくに調査しないで、「今ブームのご当地アイドル集めました」「3(サン)の付くアイドル呼んで、ゆるキャラと絡ませました」「ヲタがお金出したくなる優先エリアを作りました」って、僕には安易な企画に見える。グッズや音響へのこだわりのなさを含めて。

もし来年も4周年で「アイドル オブ ジャパン」をやるのであれば、「音量は上げられない」とか「一般客よりもヲタとプレスを優先した客席にする」とか、出演オファーを受けたアイドル運営には、そういう環境を踏まえて出演の判断をしてほしい。環境改善の可能性はゼロではないけど。

ヲタとしては、演者が気持ちよくパフォーマンスする姿を見たいわけで、空いているスペースを前にしたり、バックトラックやボーカルが聞こえず当惑する姿は見たくない。今のアイドルとファンがどれだけライブを大事にしているか、そこを分かってる人が企画しているイベントに行きたい。