『Music Lovers』初披露-アイドルネッサンス@JAM the Field vol.8 in 恵比寿リキッドルーム

ジャムに行くつもりじゃなかった

@JAM the Field vol.8に行くつもりじゃなかった-

その予定が変わったのは、11月17日夜。

アイドルネッサンス運営が、『Music Lovers』を@JAM the Field vol.8で初披露するとアナウンスした。

「なぜフェスで新曲を初披露するのか?」という疑問は感じつつも、アイドルネッサンス運営の行うことには必ず意味があると思い、この歴史的瞬間に立ち会うしかないとばかりにチケットを取った。

オープニング

オープニングアクトのぴゅあ娘がいきなり「nerve」カバーをぶっこんで来る。「とりあえず「nerve」やればヲタは沸くでしょ?」みたいなセトリだったのかどうかは分からないけど、オープニング前から沸きまくり。

オープニングでは出演する全アイドルが一同に会するという壮観な眺め。宮本茉凜が自分達のアピールそっちのけで、アプガやベビレをガン見していたように見えたのはご愛敬。

トップバッターで場内を沸かせたPASSPO☆に続いて、アイドルネッサンスが2番手で登場。

6人のメンバーがステージに並ぶ姿は堂々としていて、リキッドルームが小さく感じるほど。

名刺代わりのデビュー曲「17才」でライブはスタート。

観客が一体となったクラップとコールで会場の熱力はさらに高まる。

続いて、アイドルファンの「沸きたい」というニーズに応えるようなキラーチューン「恋する感覚」。小出祐介メドレー。

「Music Lovers」初披露

ここでついに新曲披露。「音楽を愛する私たちの気持ちを込めて歌います」というMCに続いて、The Jerry Lee Phantomの「Music Lovers」。

僕は原曲を知らず、あえて聴かずに今日の日を迎えた。

かなり黒いダンスナンバー。4つ打ちとファンキーなベースが作るミニマルなバックトラックに乗せて、ソウルフルなボーカルとセクシーなダンス。あえて近いアイドル/アーティストを探すと、callmeや女子流の世界観に通じるような楽曲。

シアン系の幻想的な照明が、大人っぽくアレンジされた楽曲のテイストをさらに盛り上げる。

このパフォーマンスを見て、アイドルネッサンスの運営が、なぜこの時・この場所を選んで、この曲を初披露したのかという疑問が氷解した。この曲の良さを完全に伝えるには、効果的な演出を行えるライブハウスのステージが必要だった、と。

フェスで初披露すると聞いて真っ先に心配したのは、「アイドルネッサンスのファンだけでもいきなり盛り上がれないかもしれないのに、他のアイドルのファンがいるような空間で大丈夫なのか」という点だった。新曲を披露すると行ったあとメンバーが配置に着いたところで、「このフォーメーションは?!」というガヤが入ったりしたが、曲が始まると聴衆は一気に世界に引き寄せられ、ステージで繰り広げられる圧倒的なパフォーマンスにシンクロするかのように静かな熱を帯びて行った。

そう、僕の心配は杞憂に終わった。いや、もうそんな心配など彼女達には最初から必要なかったのだろう。


「Music Lovers」の初披露は拍手喝采をもって迎えられると、畳みかけるように「ガリレオのショーケース」へ。ライブで最高に盛り上がれるキラーチューン。

この曲を「アイドルネッサンスらしくない」と思っていた時期もあったが、フェスや対バンでこの曲が強力な武器に育っていくのを見て、僕は自分の浅はかさを思い知った。

そして、アイドルネッサンスの本質は「ロック」なのかもしれないと思うに至った。

最後はそんな彼女達が世に出す新曲「Funny Bunny」。the pillowsのエバーグリーンな若さを詰め込んだ曲だが、その若さを実際に若いアイドルネッサンスが歌うのだから、メンバーならずともこれほどシンクロするものはない。

ルネッサンスファンはもちろん、@JAMに来ていた多くの観客が、この楽曲が伝えてくるメッセージに打たれたようにじっと立って、その歌声に耳を傾け、その踊る姿に見とれているように見えた。

リキッドルームでのワンマンに向かって

このようなフェスでアイドルネッサンスを見ると、まず耳目を集めるのは石野理子の歌唱力ではないかと思う。そして、徐々に、宮本茉凜と新井乃亜のMC、百岡古宵のダンス、比嘉奈菜子のスマイル、南端まいなのアイドル性といった個性や、6人のハモりやダンスの美しさの魅力に気付いていくのだろう。今回、「Music Lovers」と「Funny Bunny」という楽曲の強さがさらに加わって、アイドルネッサンスには「鬼に金棒」という感じが強まった。実際に、今日の無敵感はいままでにないものだったんじゃないかと思う。

こんな素晴らしいパフォーマンスを見てしまったので今日は自分の耳の中に他の音楽を入れる気にはなれなかった。だから、アイドルネッサンスが終わったところで他のアイドルを見ずに会場を後にした。後悔はしていない。それどころか、チケ代の元を十分に取ったと思いながら…

開演前、アイドルネッサンスの新井乃亜ちゃんに「今日は『Music Lovers』を観るためだけに来たよ」って言葉をかけたのだが、それに対して「プレッシャーですねー」って言葉が返って来た。本当にプレッシャーを感じていたのか、それとも単なる社交辞令だったのか、僕には分からない。だが、あの本番の堂々とした姿を見て言うと、プレッシャーを跳ね返すような会心の出来だったんじゃないかと思う。

アイドルネッサンスは、9月までキャパ300のAKIBAカルチャーズで定期公演を行い、10月にキャパ500の恵比寿ザ・ガーデンルームに会場を移したばかり。だが今日のステージの完成度の高さと観客の熱狂を見ると、来年2/28のキャパ900の恵比寿リキッドルームのワンマンは、成功する姿しか想像できない。実際、今日のリキッドルームは、彼女達にとって全然大きくなんかないように見えた。それくらい急速に成長しているのが今のアイドルネッサンスなんだろう。

やっぱり今一番目が離せないアイドル。三連休を全部捧げるに値する存在。ということで、明日も新宿タワレコでのリリイベに行こうと思う。

(セットリスト)

1 17才
2 恋する感覚
3 Music Lovers/The Jerry Lee Phantom(初披露)
4 ガリレオのショーケース
5 Funny Bunny