パリに飛んだ。
出版社「シャルリー・エブド」に対する襲撃事件が起きて初めての週末。
実行犯は射殺され、街は表面上は平静を保っているかと思いきやとんでもない。
シャルルドゴール空港から市内に近づくにつれて、道路はあちこちで封鎖され、シャンゼリゼには警察車両が大集合している。どうやら、デモの対応らしい。
道路が普通に使えないので、メトロが無料で開放されている。
そんな中、市民はセーヌ川の岸を散歩し、普段のように過ごしているように見える。
ただいつものパリと違うのは「JE SUIS CHARLIE」(私はシャルリーだ)と書かれたTシャツを着たり札を下げている人が多いことだ。中には、こういう横断幕も。
「NOUS SOMMES TOUS CHARLIE」(私たちはみなシャルリーだ)と。
フランスという国家の成り立ちを考えると
、多様性を認め、言論の自由を保証することへのこだわりは大きいように思える。
僕個人は件の出版社の表現自体には特段のシンパシーも持つことができず、この局面で臆面もなくにわかに「僕もシャルリーだ」などと名乗る気にはなれないが、いざことが起きたときに立場を明らかにして団結の意思表示をするパリの人の気質を見る思いがした。