かつてフリッパーズギターはこううそぶいた。
ハイファイないたずらさ
きっと意味なんてないさ
でも僕らはいつでも喋り出すのさ
(『Big Band Bingo』フリッパーズ・ギター)
小沢健二、1968年生。小山田圭吾、1969年生。そして、円城塔、1972年生。
円城塔の『Boy's Surface』は壮大ないたずらだ。きっと意味なんかない。でも、いつでも喋り出している。
Boy’s Surface (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)
- 作者: 円城塔
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/01
- メディア: 単行本
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こんなにスマートな本も珍しい。こんなに馬鹿馬鹿しい本も珍しい(いい意味で)。そして、これほど内容のない本も珍しい(もちろんいい意味で)。
ブンガクって何だろう。ニンゲンって何だろう。そんなことを考えていると、僕らの営みなんて、確率的に生起しているのではないかとか、順列・組み合わせ的に記述できるのではないかとか、自動生成的に複製できるのではないかと思えてくる。
僕にとって、円城塔のブンガクはそういう性質のものだ。これは哲学かもしれない。もしかしたら論理かもしれない。そして、信仰かもしれない。そんなことをいろいろと考えさせられる一冊。でも、読む人を選ぶから、いろんな人に勧めるわけにはいかないな。