空気公団『青い花』

空気公団の新作『青い花』は素晴らしい。 

青い花

青い花

  1. 青い花
  2. グラデーション
  3. うしろに聴こえる
  4. 悲しみ知らん顔

アニメ『青い花』のOPをきっかけに知ったのだが、聴けば聴くほど空気公団はしっかりとした世界を持ったアーティストだ。ボーカルの山崎ゆかりの飾らない歌声も印象的。
M1「青い花」は切なくて透明なナンバー。ピアノ+アコギ+ベース+ドラムスのシンプルなバンドサウンドを基本に、多重録音風の分厚いコーラスが加わり、等身大のボーカルが歌い上げる。荒井由実松任谷由実ではない)を彷彿とさせる名曲。
M2「グラデーション」は「夜と朝の間」を描いた浮遊感のあるバラード。不思議なコード進行と淡々としたボーカルに癒される。じわじわ来る作品。初期の大貫妙子とか、シュガー・ベイブが好きな人にはたまらない感じ。
M3「うしろに聴こえる」は、スロー・ジャズなのだが、ボーカルの旋律とリズムがちょっと耳にひっかかる感じで印象に残る。この曲もそうだが、一人称で「ぼく」を使うのも特徴的。
M4「悲しみ知らん顔」は、ピアノ弾き語り風にしっとりと歌い上げるバラード。音と音の間の余韻、言葉と言葉の間の意味を味わいながら聴く作品。

もう10年以上も活動しているバンドなのだから当然といえば当然だが、この4曲だけでも空気公団ならではの「世界」が確立していることがよくわかる。心を落ち着けたいときに、一人でゆっくりと聴きたい。