石野理子は卓越した文学性を内包している、と思っている。
アイドルネッサンスのセンターとして、またメインボーカルとして、ダンスや歌でスイッチが入ったときの彼女の存在感は突出したものがある。さすがASH、ともいいたくなるが、彼女も持ち味はそれだけではない。
それは、映像になったときの佇まい。
内面に何かを秘めているような雰囲気。文学性、と言ってもいい。
その文学性は、主演映画「マイ・フレンドシップ・キルト」において見事な輝きを放っていた。
もちろん頃安監督の手腕によるところも大であるが、彼女自身の持っているものが引き出された、としか言いようがない。
そして、今日、さよならポニーテールの新曲「夏の魔法 feat.曽我部恵一+ザ・なつやすみバンド」のMVがリリースされた。出演は、NegiccoのMeguと石野理子。
さよならポニーテール「夏の魔法 feat.曽我部恵一+ザ・なつやすみバンド ...
最初に思い出したのは、アニメ「青い花」のオープニングの空気公団。楽曲の雰囲気だけでなく、志村貴子の原作にある女性同士の切なくて儚い関係性。ぽんちゃ=杉本先輩、りこぽん=ふみちゃん…って、まあそんな単純じゃないけど。
この楽曲の世界観を映像にすることに貢献しているのは、石野理子の持つ文学性だろう。彼女なしには、この作品は成立しなかったと思わせる。
そして、NegiccoのMeguも自然な演技で、この作品にリアリティを与えている。プライベート感あふれる自然な表情にはドキッとさせられた。Negiccoの「おやすみ」のMVもこういう作品ならうれしかったな。
橋本愛に憧れて女優を目指している石野理子だが、今回の作品を見れば、その方面でのキャリアが輝かしいものになるだろうということに疑いはない。
また、そんな石野理子を「推しメン」と公言するぽんちゃのドルヲタとしての嗅覚はさすがだし、DDとしてやっぱり信頼できると改めて思った。