僕たちの好きな石野理子―『マイ・フレンドシップ・キルト』(頃安祐良監督)

頃安祐良監督の『マイ・フレンドシップ・キルト』を観にAKIBAカルチャーズ劇場に行ってきた。

(予告編)
映画「マイ・フレンドシップ・キルト」予告編 - YouTube

20時30分開演で上映時間は44分。ストーリーを一言で語ると、高校の手芸部を舞台に女子高生5人が織りなす青春ストーリー。

女子のみではなく、野球部の男子部員も登場しているので、ストーリー的には恋愛風味も交じってくるのだが、そこはきちんとアイドル映画の領域に留まっていて、ファンが観ても決して病まないようになっている。

小松もか(ハコイリ♡ムスメ)のとぼけた雰囲気、野田真実(さんみゅ~)の人情味、一ノ瀬みか(神宿)の現代っ子風味、井頭愛海(X21)の凛とした演技、そして石野理子(アイドルネッサンス)の圧倒的に文学的な佇まい。

アイドルネッサンスのMVを撮り続けた頃安監督だけあって、どのメンバーの魅力もスクリーンの中にきちんと切り取られている感じがある。

特に、石野理子が演じた清水は、コミュニケーションが不器用だったり、傷付きやすかったり、首を小刻みに振ったり、「嘘ですよね?」と言ったり…、アイドルネッサンスのファンなら泣いて喜ぶ彼女の魅力を全部残してくれている。台詞のない場面であっても、目線の揺れる動きや、まばたきのタイミングで彼女は何かを語っているように見える。

もちろん、演技をしている部分も大きいとは思うけれども、その姿は僕の好きな石野理子そのものだった。

5人のアイドルの個性を切り取って、パッチワークとして44分間の映像作品にまとめ上げた監督の手腕はさすがだと思う。野球部員役の貝塚伊吹も、5人を結び付ける重要な役だったが、嫌味なく、ほんわかと好演。

総じて期待を上回る作品で、機会があればまた観に行きたい。

おまけ。入場特典は、フィルムしおり(紙製)だった。ランダム配布ということでどきどきだったけど、欲しかった石野理子ちゃん引けた。

f:id:SHARP:20150722235157j:plain