これは国政選挙ではない〜7・12都議選

都議選民主党が大勝し第一党となった。これを国政選挙の前哨戦と位置づけたがる人がいる。永田町の人々。それから、マスコミ、たとえば文末に引用した朝日新聞もそうだ。今日の社説でも東京都の争点はまるで無視。まあこれが日本のマスコミのレベルだ。しまいには、石原伸太郎の責任逃れめいた麻生批判のコメントをそのまま記事にする体たらく。

確認しよう。僕は日本の国民でもあるが、東京都民でもある。そして、昨日の投票は、国民としてではなく、都民として行った。都民として、東京都の争点について考え、各党や候補者の主張を吟味した。

だから、都民から「NO」が突きつけられたのは、麻生太郎ではなく、石原慎太郎だ。それは、何よりも悪名高き「新銀行・東京」の不始末に対してであり、その次に築地市場の性急な移転計画に対してである。

マスコミは、放っておいても自壊する麻生政権の批判に力を入れすぎることなく、今回の都議会の選挙の結果を冷静に報道してほしい。まずが、過半数を獲得していない民主党が最大多数となったことで、都議会の運営がどのようになり、政策がどうなるのかについて、きちんと書かれた全国紙を読んでみたい。

石原都知事「大迷惑な結果」 麻生首相に重い責任

「総選挙の前相撲にされ、大迷惑な結果になった」。自民党が大敗した東京都議選について、石原慎太郎都知事は13日、硬い表情で語った。「(告示)2週間前から始めた候補が自民党のエースを破る現象は異常。非常に浮薄な選挙になった」と恨み節も漏らした。

 支持率低迷が続く麻生首相については「自ら醸し出した人心の離反みたいなのを分からない、空気が読めない、KYか。重い責任がある」と批判。麻生首相で衆院選を戦えるかと問われると「だめだね」と突き放した。

 石原都政の不支持との見方については「ちょっと違うんじゃないか」と否定した。築地市場移転など石原都政に反対する姿勢を示した民主党については「責任政党になった。責任がある代案を出してもらわないと都民も納得しないのでは」と話した。
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